修道院はイエス・キリストの教えに従って祈りと労働をしながら共同生活をする施設です。男子修道院と女子修道院があり、修道士やシスターは一生独身を通します。
カトリック以外でも東方諸教会、正教会、聖公会、などに修道院があり、プロテスタント系には原則的には無い。上の写真は小金井にある女子修道院の様子で、数十人のシスターが病院やホスピス施設でボランティアとして熱心に働いている。
シスターは修道院の外へ出て奉仕活動をするのであちこちで見かけます。独特な形をした裾の長い制服を着て、髪を覆っているのでよく目立ちます。
話は1990年のオハイオ州コロンバス市の空港でのことです。待合室へ2人のシスターが入って来ました。すると一番前の良い席に座っていた子供連れの一家がすっと立ってシスターへ席を譲ります。シスターはにっこり微笑んで座ります。子供連れの一家が少し端の方の椅子に移動しました。
しばらくして搭乗時間になると一等客と幼児連れのお客がまず乗り込みます。そのあとで改札口に立っている案内のお嬢さんがシスターへ向かってお乗りなさい、と身振りで合図する。シスターたちは微笑みながら「一番後にのります」という意味の身振りをする。お客達が搭乗し始める。機内の自分の席を確かめ、座っていると、なるほど一番あとでシスター2人が乗り込んできました。近くのお客が荷物を棚へ上げたりして面倒を見ています。それだけの光景でしたが何かほのぼのとした温かい気持ちになりました。お陰で、ピッツバーグまでの1時間の空の旅が楽しくなったのを思い出します。
話は飛びますが、日本でも聖職者を大切にする文化を持っています。一つだけ例を上げます。抹茶を供する茶会での一番上席の「正客」は原則として必ず男性がなります。しかし客の中に尼さんが居れば、その尼さんが「正客」の席に着きます。亭主と話の出来るのは正客だけなのです。
シスターを大切にする文化。尼僧を大切にする文化。いつまでも続くことを願います。
お坊さん、神主さん、神父さん、牧師さん、など聖職者を敬う心は何処でも何時でも変わらないで欲しいものです。(終わり)