後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

あなたは自分の住んで居る場所が好きですか?愛していますか?

2011年07月09日 | 日記・エッセイ・コラム

多くの人々は仕事の都合であちこちへ引っ越します。自分の好みの場所を選んで引っ越してから仕事を見つける人は居ません。いえ、少しいますが、それはごく少数です。生まれ落ちる家や場所も自分で選べません。住んで居る場所はいろいろないきさつで決まるのです。それは運命のようなものです。

私は東京都下の小金井市に住んでいます。昔は小金井村といって、畑が広がる貧しい土地だったようです。自慢するものは何も無く、侠客の小金井小次郎だけがが有名です。

しかしそこに住んで47年になります。そして最近この小金井が大変好きになりました。住めば都というように何故か郷土愛がどんどん強くなって行きます。

自慢は市の南と北にある自然が一杯の公園があることです。北には小金井公園がひろがり、南には武蔵野公園と野川公園が続いて広がっています。四季折々の風景が大好きで、このブログでもこの3つの公園の写真を多数掲載しています。特に春の小金井櫻は江戸時代から有名です。下に今年の桜の写真をしめします。

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住んでいる場所が好きになるとその場所の歴史に興味が湧いてきます。いわゆる郷土史ですね。学校では教えませんし、本もあまり存在していません。自分で歩いて珍しい本や写真を探して調べます。

引退してから5年間、あちこち歩き回って一つの方法を確立しました。それはその土地の「教育委員会」が編纂した歴史書を探すのが一番の近道です。

それと小金井市だけの歴史を調べてはいけないという原理原則です。近隣の国分寺市、小平市、国立市、日野市、町田市などの教育委員会が編集した郷土史の本を見て、較べてみると江戸時代、幕末、明治時代の歴史が鮮明になって来るのです。

それらの本はそれぞれの市立図書館の資料室にならべてあります。

市役所へ電話して「教育委員会担当の部署」へつないで貰い、いろいろ教えて貰うことも出来ます。郷土の歴史は自慢したい気持ちもあるのか、いつも大変親切に教えてくれます。

しかし一番重要な事は、車を運転して、気軽に足を運ぶ事です。下に昨日、府中市立図書館で見た、「写真集、目で見る多摩の100年」という本をしめします。

これを見るとこの100年間で多摩地方の風景が想像以上に完全に変わってしまったことが分かります。

そして写真の下についている短い説明文が郷土の歴史を教えています。

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このような本や写真集も大変助かりますが、もう一つ重要な情報源は社寺仏閣にある石碑や看板に書いてある文章です。例えば下は府中の大国魂神社の境内にある看板です。教育委員会の書いた文章で学問的な研究成果を示しています。

非常に重要な事実が書いてあります。それはこの神社が明治維新までな神仏混淆の神社であった事です。それが分かれば、あとは簡単です。図書館へ入って受付で大国魂神社での廃仏毀釈の事を書いた「教育委員会」が編集した本が有りませんか?と聞けば良いのです。

そうです。この神社は江戸時代は六所大明神といい、7つの別当寺を持った神仏習合の神社だったのです。明治維新の時、当時の猿渡神主が率先、活躍して仏教関係の御堂や仏像を平和裏に撤去したのです。そして名前を六所大明神から大国魂神社へ勝手に変更したのです。

事の善悪を感情的に論じないで、冷静に「何が起きたか?」を客観的に調べ上げる。これこそが歴史研究の鉄則です。そんな態度も自然に身についてくるから不思議です。

皆様はご自分の住んでいる場所がお好きですか?愛していますか?郷土史を調べたことがありますか?

それはそれとして、

今日も皆さまのご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人