今日は気楽に和牛の話を書いてみます。
昨日、テレビで和牛が世界中に広がって飼育され、多くの外国人も和牛の味に感心しているという報道を見ました。
さっそくあれこれ検索してみるとオーストラリア、カナダ、アメリカやヨーロッパでも飼育されているようです。
始めは日本の大商社が日本へ輸入するために和牛の飼育をオーストラリアの牧場へ奨励したのがキッカケで、その後、現地の人々が好んで食べるようになったようです。そして下の図面の左のように世界各国へ輸出されています。右はその和牛の肉です。(写真の出典は、http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2012/05/0530.html です。)
そして現在はフランスでも好んで食べられています。http://www.youtube.com/watch?v=-eV-NYKbak0 をご覧ください。
現在、日本では和牛、和牛と言って大変高価に売っていますが、その風潮を私はいささか冷やかに見ています。
何か軽薄な食文化のように感じられて好きになれないのです。
本音は食べたいのですが、高価過ぎるのと、脂肪が多すぎると家人に牽制されているからです。滅多に食べられないので憧れているだけです。
何故、「軽薄な食文化」と非難するのでしょうか?
理由は簡単です。純粋の和牛など市場に出回っていないからです。三大和牛といって松坂牛や神戸牛や近江牛などをやたらに珍重していますが、それらは明治維新以来何度も体の大きい西洋牛と交配しています。要するに血統が正しくないのです。
本当に純粋な和牛を、「西洋種の牛の血が混じっていない日本古来の牛」 と定義すると」、現在は2種類の牛だけになってしまいます。
萩市の沖合の離れ島の見島に生存している天然記念物の見島牛(みしまうし)と鹿児島県の離れ島に居る口之島牛だけです。
見島では7戸の「見島牛保存会」の農家が純粋種を守り続けています。食肉用として市場へ出荷されるのは年間12頭から13頭と言います。これこそが現在賞味されている全ての「霜降り肉」の元祖なのです。下に写真を示します。
そして下は昭和4年の見島牛のセリ売りの様子です。
(写真の出典は、http://www.mishimaushi.com/mishimaushi.htmlです)
さてこの「見島牛(みしまうし)とは」というHPを見ると、「和牛の変遷」というスライドショーが右肩についています。良く出来た説明です。
それによると和牛は中国から朝鮮へ伝わり、そして見島へ伝わったそうです。やがて見島から日本全国へ伝わったと説明されています。
すると、「見島牛(みしまうし)」は「朝鮮牛」と呼んでも間違いがありません。
しかしこれも変な話です。中国の福建州や満州沿岸から直接日本へ運ばれてきた牛もいた筈です。それらは「中国牛」と呼ぶべきではないでしょうか?
しかしもっと本格的に考えると日本には旧石器時代からオーロックスという野生の牛が跋扈していたのです。それこそが本当に純粋な和牛ではないでしょうか?
ですからこそ私は和牛、和牛と騒ぐ食文化をいささか冷笑しているのです。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)