アメリカと犬猿の仲にある共産主義のキューバ本土のグアンタモナ州の湾に1903年以来、アメリカ海軍基地があるのです。
それは日本人には考えられない不思議なことです。
下にキューバ本土の地図でその位置を示します。
上の写真で矢印の細い線の内側がアメリカ海軍の基地です。基地の周囲は危険な地雷原になっていて通行が遮断されています。
この基地は1903年のアメリカとスペインの戦争でアメリカが勝利したときにアメリカが手に入れたのです。その時、キューバの独立をアメリカが支援したので、独立後のキューバはこの116平方キロメートルの土地を永久、無期限にアメリカの租借地にして提供したのです。
租借料は年間やく4000ドル(やく40万円)です。
カストロはこの租借は非合法として非難して、租借料の受け取りを拒絶しています。
この基地の主権はキューバにありますが米軍が実効支配しているので軍の法規と軍法だけが適用される不思議な土地です。
20世紀後半からキューバやハイチの密航者を逮捕した場合の収容所としても使用していましたが、近年にはアフガニスタンやイラクで拘束された者を収容し、拷問にかけていたとう報道が流れていました。
オバマ大統領は2008年の大統領選挙の折りにこの収容所施設を閉鎖すると言っていましたが、保守的な議員の反対にあい、いまだに閉鎖されていません。
当然、カストロ議長にとっては目の上のコブであり不愉快千万ですがどうしようも無いのです。
仮に武力占領すれば首都、ハバナが米軍機の絨毯爆撃にあい、キューバ全土がアメリカ海兵隊に蹂躙されるのは明らかです。
アメリカはキューバ全土を軍事占領する正当な理由が欲しいのです。それを知っているからこそカストロ議長は手も足も出せないのです。
話は変わりますがイギリスの香港の租借は2000年までと期間が限定されていたのです。サッチャー首相が鄧小平に期間の延期の可能性を打診した時、鄧小平はニベも無く断ったそうです。無理に延期するなら人海戦術で香港を即時占領すると言い放ったという噂さえ流れていました。
それにしてもカリブ海にはいまだにヨ-ロッパの植民地や自治領が散在していて日本人には理解し難い地域です。困ったものです。(終わり)