後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

北朝鮮は絶対に米本土攻撃の核兵器とミサイル開発を断念しない

2018年03月01日 | 日記・エッセイ・コラム
今回の平昌オリンピックでの政治ショーでは北朝鮮が金メダルを取ったと言われています。北朝鮮は平和を愛する国家だという宣伝に大成功をおさめたのです。
金正恩党委員長の妹の金与正 副部長ら高位級代表団が平昌の開会式に出て、韓国の文大統領を北朝鮮に招待したのです。その上、北の美女軍団は華やかな応援の演技を連日見せてくれたのです。
しかしこの平和的な宣伝と並行して北朝鮮は沖で船から船へ貨物を積みかえる「瀬取り」という方法で石油などの輸入を続けています。
そして中東のシリアへ化学兵器工場の資材を輸出し、技術指導をして外貨を得ています。
これらの方法で北朝鮮は原油を確保した上で、核兵器開発の資金を入手しているのです。米本土攻撃用の長距離ミサイル開発の資金が続くのです。
根本的に考えるとアメリカに対抗している国々は世界に沢山あるのです。その国々は潜在的な北朝鮮の支援国なのです。ロシア、中国は勿論、近東でアメリカ軍が攻撃している国々、アフリカや南米でアメリカに反感を持っている国々など沢山あります。これらの国は表向きは北朝鮮を非難しながら、秘密の方法で北朝鮮を支援しようとするのは自然ではないでしょうか?

今日は、沖で中国の船からの北朝鮮の船へ貨物を積みかえる「瀬取り」に関する報道をご紹介します。そして続いて、シリアへの化学兵器工場の資材の輸出に関する報道をご紹介します。

(1)日本政府、北朝鮮舶籍タンカーが瀬取り 制裁違反で国連に通報
2018年02月21日 20時48分、http://www.epochtimes.jp/2018/02/31411.html

まず以下の記事を明快に理解するために、写真に写っている青い色の船が中国の船で、上部が黄色で船体が黒い貨物船が北朝鮮の船だとご記憶下さい!

1番目の写真は、 横付けして蛇管を接続している北朝鮮船籍タンカー「Yu Jong 2号」と 「闽宁德油078」の写真です。(2月16日11時20分頃撮影、防衛省)
日本政府は20日、東シナ海の公海上で、北朝鮮船籍タンカーと船籍不明の小型船舶とが、国連安保理決議で禁止されている洋上での物資の積替え(瀬取り)を行った疑いが強いとして国連に通報した。防衛省が公開した写真には、青い色の船籍不明船に中国本土で使われる中国語簡体字が表記されている。
防衛省によると2月16日昼、海上自衛隊が、両船舶が東シナ海の公海上(上海の東約250キロの沖合)で横付けしていることを確認した。簡体字には「闽宁德油」と書かれており「福建、寧徳市、油槽船」を意味するものとされる。
政府の発表によると、2017年12月に採択された国連安保理決議第2375号にある「国連加盟国は北朝鮮籍船舶との洋上での船舶間の物資の積替え(瀬取り)の関与を禁止」に違反している疑いが強いとして、国連安保理北朝鮮制裁委員会に通報し、関係国と情報共有を行っているという。

2番目の写真は青い短い中国の船が黒くて長い北朝鮮の貨物船に横ずけしている写真です。

3番目の写真は北朝鮮の「Yu Jong 2号」です。(2月16日13時00分頃撮影、防衛省)

4番目の写真は中国の「闽宁德油078」の写真です。(2月16日13時30分頃撮影、防衛省)
(編集・甲斐天海)
以上の報道は以前から沖で原油などを積みかえて輸入しているという噂の動かぬ証拠として価値のある写真です、これでは原油や天然ガスの供給を遮断して北朝鮮を追いつめるというアメリカの政策が成功する筈はありません。
そして原油や天然ガスの輸入の資金や核兵器開発の資金はどのように得ているのでしょうか?
以下の報道はその方法の一つです。

(2)北朝鮮、シリアに化学兵器の製造部品を提供=国連報告書
http://www.bbc.com/japanese/43221764
北朝鮮が化学兵器の製造に使用できる部品をシリアに提供していると、国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会の専門家パネルが報告書をまとめたことが27日、明らかになった。米メディア各社が報じた。
提供された部品には、耐酸性のタイルやバルブ、パイプが含まれるという。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、国連報告書は北朝鮮のミサイル専門家らがシリアの武器製造施設にいたと指摘している。報告書は現時点で未公表。
シリアでは2月末、首都ダマスカス近郊にある反体制派拠点の東グータで、政権軍が塩素ガスを攻撃に使用したとの指摘が出ているが、政権は否定している。
北朝鮮は、国連安全保障理事会の決議に違反し核・ミサイル開発を続けていることから、各国から制裁措置を受けている。
北朝鮮からシリアに非合法的に運ばれた物資は、耐熱・耐酸性タイルや耐食バルブ、温度計などで、タイルは化学兵器が製造された施設の建設に使われたとされる。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、2016年末から17年初頭にかけ、北朝鮮は中国の貿易会社を通じて5回にわたりシリアに物資を送っている。物資の搬送は数年間で何十回にも及んだとみられている。
同紙は、シリア政府の科学調査研究センター(SSRC)が多数のフロント(隠れみの)企業を使い、北朝鮮に対価を支払っていたと指摘した。
今回の国連報告書は、米紙ワシントン・ポストも同様に確認している。

すでに公表済みの2017年9月の報告書で専門家パネルは、シリアと北朝鮮が「禁止された化学兵器、弾道ミサイルおよび通常兵器で協力しているとの情報について調査している」と述べていた。
当時の報告書は、国連加盟2カ国が押収したシリア向けの積み荷が、北朝鮮の主な武器輸出組織とSSRCのフロント企業による取引の一部ではないかとと、疑念を指摘していた。
国連のステファン・デュジャリック報道官は、報道された報告書が公表されるのかコメントしなかったが、ニューヨーク・タイムズに対し、「すべての加盟国に、実施中の制裁に従う義務と責任がある。これが全体としてのメッセージだろう」と語った。
シリア政府は専門家パネルに対し、シリア国内にいる北朝鮮市民はスポーツのコーチや選手のみだと、説明したとされる。
シリアは化学兵器禁止条約の署名国で、2013年のサリンガスを使ったグータへの攻撃で多数の死者が出た際には、保有していると認めた化学兵器の破棄に同意した。
それ以降も、シリアは2011年から続く内戦で、禁止された化学兵器を繰り返し使用したと非難されている。
・・・中略・・・
専門家たちは、北朝鮮が現金収入を得るために、世界中で長年、軍事物資や武器を提供してきたと指摘した。
国連の報告書は、北朝鮮が中東や北アフリカ、ラテンアメリカなどの数十の国や集団と違法な取引をしようとしていることを強調する内容となっているもよう。
シリアと北朝鮮の間には数十年にわたる軍事的結びつきがある。

トランプ米大統領は今月23日、北朝鮮への追加制裁を発表。数カ国で登記された50以上の船舶と海運会社を制裁対象とした。
米国は、新たな制裁によって収入源を断ち、核開発に必要な燃料を得られなくして、すでに実施されている制裁の抜け穴をふさぐことで、北朝鮮への圧力をさらに強められると説明している。
(英語記事 N Korea 'providing materials to Syria chemical weapons factories')

以上の報道で重要なことは「北朝鮮が中東や北アフリカ、ラテンアメリカなどの数十の国や集団と違法な取引をしようとしていることではないでしょうか?

以上の結論は北朝鮮は絶対に核兵器開発とミサイル開発を断念しないと言えることです。
今回の平昌オリンピックで北朝鮮は平和を愛する国家だという宣伝に大成功をおさめたのです。しかしそれと並行して着々と核兵器開発とミサイル開発を続行しているのです。アメリカが北朝鮮へ対して軍事攻撃を絶対にしないように祈るばかりです。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)