毎年梅の咲く時期になると八王子市は高尾梅まつりを開きます。高尾は東京都の西の端にある山里です。
ケーブルカーや薬王院などのある賑やかな高尾山の裏側には静かな旧甲州街道が通っています。その街道沿いの両側に散在する梅林を見ながら散策する趣向です。
この江戸時代の街道は甲州と武蔵野の境の小仏峠を通っており、小仏関所は峠の手前の駒野木を過ぎた所にありました。現在は関所のあった広場と、小仏関所の歴史を書いた看板があるだけです。そこには梅の木があり、「梅まつり」の会場の一つになっています。
ここの梅林は水戸の偕楽園や熱海の梅林のような花を観賞するためより、梅の実を収穫するするための梅畑なのです。
土地が痩せて畑作が困難な傾斜地に梅畑を作り、少しでも暮らしが楽になるように昔の人が努力して作ったものです。ですから観賞用の剪定もしません。自然な感じがします。
昨日はそのような山里の梅畑の写真を撮りに行きました。昨日の目的は1,400本もの紅梅や白梅がある木下沢(こげさわ)梅林の写真を撮ることでした。しかし旧甲州街道は道幅が狭い上、「梅まつり」のお客が道路いっぱいに歩いているのです。歩いている人々を押しのけるように車を走らせるのはいけない事です。途中で断念して帰って来ました。
午前中にミサに出て、私共は午後から行ったので、行楽客が旧甲州街道に溢れていたのでしょう。
しかし山の斜面にある梅畑の写真は沢山撮れました。写真をお楽しみ頂けたら嬉しくおもいます。
この最後の写真には中央高速自動車道路が写っています。旧甲州街道と並んでいます。江戸時代の人は想像も出来なかった道路です。そんな他愛も無いことを考えながら写真を撮ってきました。
それにしても梅の花は寿命が長いです。関東地方では1月に咲き始めて3月一杯は咲いています。高尾の「梅まつり」の日曜日には野点があったりしてお客も多く盛況ですが、平日は静かな昔の街道に戻ります。1,400本もの紅梅や白梅がある木下沢梅林まで車で簡単に行けます。
これからでも遅すぎません。是非お出掛けになってはいかがでしょうか?
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)