ドイツに住んでいた1969から1970年、魚をよく食べた。ニシンやマスは小麦粉をまぶしてムニエルにする。ところが魚売り場を良く見ると平べったい鯉も売っている。うろこがほとんどないドイツの鯉である。溶いた小麦粉をつけて煮え立つ油でカラリと揚げるて食べる。タラの切り身はムニエルやポアレ。ノルウエー産サケの切り身は高級な塩引きになる。ニシンは香草とともに酢づけにしてガラス瓶に密閉して売っている。
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1番目の写真は香草とともに酢づけにしてガラス瓶に入れたニシンです。
ウナギは燻製にするか、生のままぶつ切にしてアールズッペというスープにする。ある時、ライン河の生きたウナギが市場でうごめいていた。購入し、苦労して三枚におろして蒸し上げ、醤油、砂糖、日本酒で作ったタレをかけ、オーブンで焼き上げた。香ばしい匂いが家中に漂う。
大きな期待で食べたら不味い!ライン河のウナギは小骨が硬く、蛇を想像させるような野生の嫌な匂いがして食べられたものでない。用意した高級なモーゼルワインも台無し。土浦の天然仕立てウナギを食べるたびに、ラインウナギのまずさを思い出して苦笑を禁じえない。
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2番目の写真は燻製にしたウナギです。
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3番目の写真は皿にもった燻製にしたウナギです。
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4番目の写真はドイツ鯉です。
鯉は切身にして粉をまぶしてフライパンでバターで焼いて食べます。
ドイツの魚文化で特筆すべきマテイエステー・ヘリングという一品がある。生のニシンを琵琶湖のフナずしのように発酵させたものである。マテイエステー・ヘリングという。イカの塩辛とくさやの干物をミキサーにかけたような味である。はじめは臭くて食べられない。しかし、たいていのレストランのメニューにあり、腐ったような感じのグチャグチャに身が崩れた一匹が大きな皿に出てくる。結構高価である。はじめは辟易(へきえき)したが、二、三回食べて病みつきになってしまった。
しかし、マテエステー・ヘリングにも上出来や失敗作もある。上出来なものは臭いが高貴な味がする。出来損ないは腐ったような味がするだけである。日本では一度も見たことがない。どこの国にも、どこの地方にも独特な魚の食文化があり、われわれの人生を味わい深いものにしている。これもクオリティー・オブ・ライフを決定する重要な文化である。
私は1969年にドイツにう行くまで、長い間、ヨーロッパ人は魚を食べないと思い込んでいた。しかし彼等に混じって生活をすると実に良く魚を食べることに吃驚した。特に最近は日本の寿司の普及で生の魚を食べるのも普通になったと言う。
人類の経済活動が国際的に広がって、いわゆるグローバル化して来た。経済活動がグローバル化したのと並行して食文化もグローバル化したのだ。各国の魚の食べ方も例外ではない。
今日はドイツ人のニシンとウナギと鯉の食べ方をご紹介いたしました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)
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1番目の写真は香草とともに酢づけにしてガラス瓶に入れたニシンです。
ウナギは燻製にするか、生のままぶつ切にしてアールズッペというスープにする。ある時、ライン河の生きたウナギが市場でうごめいていた。購入し、苦労して三枚におろして蒸し上げ、醤油、砂糖、日本酒で作ったタレをかけ、オーブンで焼き上げた。香ばしい匂いが家中に漂う。
大きな期待で食べたら不味い!ライン河のウナギは小骨が硬く、蛇を想像させるような野生の嫌な匂いがして食べられたものでない。用意した高級なモーゼルワインも台無し。土浦の天然仕立てウナギを食べるたびに、ラインウナギのまずさを思い出して苦笑を禁じえない。
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2番目の写真は燻製にしたウナギです。
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3番目の写真は皿にもった燻製にしたウナギです。
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4番目の写真はドイツ鯉です。
鯉は切身にして粉をまぶしてフライパンでバターで焼いて食べます。
ドイツの魚文化で特筆すべきマテイエステー・ヘリングという一品がある。生のニシンを琵琶湖のフナずしのように発酵させたものである。マテイエステー・ヘリングという。イカの塩辛とくさやの干物をミキサーにかけたような味である。はじめは臭くて食べられない。しかし、たいていのレストランのメニューにあり、腐ったような感じのグチャグチャに身が崩れた一匹が大きな皿に出てくる。結構高価である。はじめは辟易(へきえき)したが、二、三回食べて病みつきになってしまった。
しかし、マテエステー・ヘリングにも上出来や失敗作もある。上出来なものは臭いが高貴な味がする。出来損ないは腐ったような味がするだけである。日本では一度も見たことがない。どこの国にも、どこの地方にも独特な魚の食文化があり、われわれの人生を味わい深いものにしている。これもクオリティー・オブ・ライフを決定する重要な文化である。
私は1969年にドイツにう行くまで、長い間、ヨーロッパ人は魚を食べないと思い込んでいた。しかし彼等に混じって生活をすると実に良く魚を食べることに吃驚した。特に最近は日本の寿司の普及で生の魚を食べるのも普通になったと言う。
人類の経済活動が国際的に広がって、いわゆるグローバル化して来た。経済活動がグローバル化したのと並行して食文化もグローバル化したのだ。各国の魚の食べ方も例外ではない。
今日はドイツ人のニシンとウナギと鯉の食べ方をご紹介いたしました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)