575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

テーマをぱくって再び蛍             鳥野

2006年06月16日 | Weblog
 遅足兄が和泉式部の歌を挙げておられました。

   ものおもえば沢のほたるもわが身よりあくがれいづるたまかとぞ見る

 その歌碑が鞍馬街道の貴船川沿いに建っています。
 たかが受領の娘と蔑まれながら、親王兄弟の寵を受け、亡き後も次々に公達と浮名を流し、その奔放な生き方は非難され続けました。
 しかし、歌人としては類の無い才媛、和泉式部集正・続合わせて1500余首を残し、その殆どが恋愛を主題とした心象詠というのは驚きです。
 その歌碑を訪ねたときに・・・
   
   浮名負いし和泉式部の魂美(はし)しと貴船の歌碑に沢ほたる棲む

   裳のうちに蛍を飼いし咎なるや式部の汚名濯ぎようなし

   式部恋しと葉裏よろばう老いぼたる転生の果ての色透けており

            
コメント (2)
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