575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

俳句の分類  ②

2006年06月18日 | Weblog
残る2つの分類は次の通りです。

④ 暗喩主義的発展
個人の思想・感性を暗喩に託して凝縮的な表現を追及する。
新興俳句運動の中から生れる。フランスの詩などの影響を受けている。

 蝶堕ちて大音響の結氷期 富沢赤黄男

 銀行員朝から蛍光す烏賊のごとく 金子兜太

 死も恋もなしハードルの刃に冬蝶 大沼正明

⑤ コスモロジー的発展
個人や人間という枠を超え、宇宙のすべての存在に共通する
根源的なありかたを追求。
永田耕衣から始まる。

 夢の世に葱を作りて寂しさよ 永田耕衣

 一満月一韃靼の一楕円 加藤郁乎

 ひるすぎの小屋を壊せばみなすすき 安井浩司


夏石番矢氏が自らをこの系譜のなかに位置づけています。

 天ハ固体ナリ山頂ノ蟻ノ全滅 夏石番矢

俳句という世界も様々。
それに一人の作者が、こうした多様な傾向を持っているわけですから、
自分の好きな作者に出会うチャンスは高いのではないでしょうか。

                    遅足
コメント
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