575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

辛崎の松は花より朧にて  芭蕉

2007年01月04日 | Weblog


この句は様々な鑑賞があります。
普通に読めば、目の前には、松があり、
その松は桜の花よりも、もっと朧ですよ。
という意味になります。

花が眼前にあるという読みもあって、それですと、
花を見ながら、イメージのなかの辛崎の松は
花よりも朧ですね。
という句になります。どちらにも読めます。

分からないのは松が朧というフレーズです。
これは芭蕉の時代の感性で、我々の時代には失われたものらしいです。
ただ、芭蕉の時代でも誰もが持っているイメージではなく、
そう言われると、おお、洒落ているじゃないということではありそうです。

    

この松と朧という一見、似つかわしくない二つのコトバを取り合わせる。
コトバの魔術を使う達人。それが芭蕉でしょうか。

 
  中京大学俳句教室のメモより。



それにしても芭蕉は「ヨイショ」の達人ですね。
辛崎の松を、じつに上手に褒め上げています。

                   遅足


コメント (1)
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