題詠「寒」
柔らかな魚寝ている寒の河岸(朱露)
寒鴉鳩の撒き餌ににじり寄る(龍次)草・愚・遅
北風の上書きをする寒の入り(麗子)龍・鳥・郁
ばぐだっど爆裂火焔寒茜(静荷)
通夜の客どっと帰りし寒さかな(亜子)麗・龍・晴・静・能
竿先に寒ばえの跳ね小正月(愚足)童・能
寒行や指赤黒し足袋の穴(能登)朱・立
寒風や落ちたる花のどぶ掃除(郁子)
寒流は真っ青だったと潤目の眼(鳥野)朱・麗・郁・亜
朝ぼらけつつけばひびく寒さかな(晴代)立・遅
みぞおちに寒鯉飼ふと答えけり(遅足)草・鳥・晴
子ら行けば元の静けさ寒の入り(立雄)童・愚・亜・静
自由題
千両の実の果てしあと葉の戦ぐ(鳥野)遅
背負われる児全身の笑い初め(晴代)立
時雨きて玉響(たまゆら)の虹野に低し(静荷)
山男蜂の子置いていなくなる(朱露)童・遅
縫い代をたっぷりとって去年今年(童子)朱・麗・愚・郁・晴
さよならと振った手おおきくなっている(遅足)郁
冬落暉おんながひとり観覧車(能登)龍・鳥
屈葬のミイラのかたち去年今年(亜子)童・草
雪降れば肩ふれ合って屋台酒(龍次)亜・立
何するもはじめはじめと初笑い(郁子)麗・草・晴・静
元旦や春色の皿並べおり(麗子)龍・愚・鳥・能
幼子の肩に湯かける霜夜かな(愚足)朱・亜・静・能
次回は2月21日(水)午後6時 安田屋
題詠は「春」です。
(誤りがあったらお知らせ下さい。 遅足)