575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

丸き背の更にまあるき日向ぼこ  絵門

2007年01月21日 | Weblog

これは今朝の中日俳壇に載った江本さんの句です。

選者の長谷川久々子さんの評には、
寒さで着ぶくれていよう。
更に身を縮めて丸くなった背中。
何人かの仲間が集まった日向ぼこの景であろうかと思うが
「丸き」「まあるき」となると、
明るき賑やかな日向ぼっことが想像される。
と、ありました。

丸き、まあるき、と同じ言葉を
表記を変えて繰り返す修辞のたくみさ。
いかにも俳句らしいユーモアが感じられます。

      

                      遅足




コメント (2)
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小川軽舟さんについて

2007年01月21日 | Weblog








愚足さんが俳人ランキング一位とされた小川軽舟さん。
全く知りませんでした。
そこで、小川さんについての一夜漬けの報告です。

本職は銀行マン。
藤田湘子のお弟子さんで、俳句誌「鷹」の主宰者と
ありましたから、後継者のようです。
自薦句をいくつか紹介します。

 秋の蝶盤石に鈴振る如し

 冬雲や竹のまなかに担ぐ人

 マフラーに星の匂をつけて来し

 白鷺のみるみる影を離れけり

 男にも唇ありぬ氷水

抒情的ですね。好きな句です。
俳句の伝統に添いながら、現代人の心にふれる
詩精神がみごとに生かされています。

   

ランクのなかに名前があった高柳克弘さん。
先日のNHK俳句に出演していました。

  冬の日や馬上に氷る影法師  芭蕉

この句の素晴らしさは、影法師が氷る、
という詩的な表現にあると。
さらに自分の目標は、「日常語に詩を宿らせる俳句」
と話していました。

 蝶々の遊ぶ只中蝶生る 克弘

二人とも俳句は詩であると、考えているようです。

  

日本列島がどんどん都市化して、自然がなくなっていきます。
俳句のテーマも、自然より人事がふえているそうです。
ふだん使っているコトバも人事に属するものがほとんどです。
そのコトバに詩の魂を宿らせる。
そこに伝統のある季語を蘇えらす。
伝統と現代生活とのバランスを上手にとること。

現在の俳句の主流は、その辺りにあるかも知れません。

                 遅足



コメント (3)
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