愚足さんが俳人ランキング一位とされた小川軽舟さん。
全く知りませんでした。
そこで、小川さんについての一夜漬けの報告です。
本職は銀行マン。
藤田湘子のお弟子さんで、俳句誌「鷹」の主宰者と
ありましたから、後継者のようです。
自薦句をいくつか紹介します。
秋の蝶盤石に鈴振る如し
冬雲や竹のまなかに担ぐ人
マフラーに星の匂をつけて来し
白鷺のみるみる影を離れけり
男にも唇ありぬ氷水
抒情的ですね。好きな句です。
俳句の伝統に添いながら、現代人の心にふれる
詩精神がみごとに生かされています。
ランクのなかに名前があった高柳克弘さん。
先日のNHK俳句に出演していました。
冬の日や馬上に氷る影法師 芭蕉
この句の素晴らしさは、影法師が氷る、
という詩的な表現にあると。
さらに自分の目標は、「日常語に詩を宿らせる俳句」
と話していました。
蝶々の遊ぶ只中蝶生る 克弘
二人とも俳句は詩であると、考えているようです。
日本列島がどんどん都市化して、自然がなくなっていきます。
俳句のテーマも、自然より人事がふえているそうです。
ふだん使っているコトバも人事に属するものがほとんどです。
そのコトバに詩の魂を宿らせる。
そこに伝統のある季語を蘇えらす。
伝統と現代生活とのバランスを上手にとること。
現在の俳句の主流は、その辺りにあるかも知れません。
遅足