去年の今頃伊吹山に植物観察に出かけた。土砂降りの雨も上がって三合目から登り始め数多くの植物に出会うことが出来た。
興味深かったのはトリカブト。四合目辺りでは褐色がかった緑色の蕾。登るにつれて青紫に変化し、山頂では私たちに向かって開いているではないか。
トリブトという名は良く知られているが、ほとんどの植物図鑑で「トリカブト」を引いてもまず見つからない。と言うのはトリカブトというのは、キンポウゲ科トリカブト属の総称なのだ。
つまり個々のトリカブトの種を固定することは、大変難しく専門家に任せる他に手は無いのである。ここ伊吹山にあるのはイブキトリカブトだそうだ。
愛知県の面の木峠にもトリカブトは数多く生えているが愛知県のトリカブトはヤマトトリカブトとカワチナシの二種のみ。しかも、咲いているのがどちらかと言うのを判定するのは専門家で無い限り非常に難しい。
さてトリカブトは猛毒で有名だ。山頂で我々を迎えてくれたトリカブトの花を見て仲間の一人が「カーチャンの土産にしたいなあ」と一声、彼は愛妻家で有名なので人々から笑い声がもれ、疲れが癒された。
トリカブトの毒についてであるが、世界一毒性が強いとされるのがエゾトリカブトで北海道の低地から山地に生えるもの、二番はオクトリカブトで本州中部から北海道にかけて生える。
トリカブトは草全体が有毒であるが、特に毒性の強いのは根の部分。この根は一年ごとに母根から子根に成長し増えていく。
普通母根のことを烏頭(うず)と呼び子根ことを附子(ぶす)と呼んでいる。
有名な狂言に「附子」というのが有り、主人が大切な砂糖を舐められたくなくて『「ぶす」と言う猛毒だから舐めないように』と家来に言い残して留守にする。そのすきに家来は全部舐めてしまい、見つかって問いたださる。そこで、死のうと思って舐め続けたが死に切れなかったと言い訳するのがある。
トリカブトは花の色といい形といい大変に魅力である。
しかし、くれぐれもカアチャンの土産にしないように。
霧の掌に粘華微笑(ねんげみしょう)のとりかぶと 加藤楸邨
★今週まで「草女」が投稿できませんので、去年書いてあって投稿しなかったものを投稿します。 (草女の連れ合い)
興味深かったのはトリカブト。四合目辺りでは褐色がかった緑色の蕾。登るにつれて青紫に変化し、山頂では私たちに向かって開いているではないか。
トリブトという名は良く知られているが、ほとんどの植物図鑑で「トリカブト」を引いてもまず見つからない。と言うのはトリカブトというのは、キンポウゲ科トリカブト属の総称なのだ。
つまり個々のトリカブトの種を固定することは、大変難しく専門家に任せる他に手は無いのである。ここ伊吹山にあるのはイブキトリカブトだそうだ。
愛知県の面の木峠にもトリカブトは数多く生えているが愛知県のトリカブトはヤマトトリカブトとカワチナシの二種のみ。しかも、咲いているのがどちらかと言うのを判定するのは専門家で無い限り非常に難しい。
さてトリカブトは猛毒で有名だ。山頂で我々を迎えてくれたトリカブトの花を見て仲間の一人が「カーチャンの土産にしたいなあ」と一声、彼は愛妻家で有名なので人々から笑い声がもれ、疲れが癒された。
トリカブトの毒についてであるが、世界一毒性が強いとされるのがエゾトリカブトで北海道の低地から山地に生えるもの、二番はオクトリカブトで本州中部から北海道にかけて生える。
トリカブトは草全体が有毒であるが、特に毒性の強いのは根の部分。この根は一年ごとに母根から子根に成長し増えていく。
普通母根のことを烏頭(うず)と呼び子根ことを附子(ぶす)と呼んでいる。
有名な狂言に「附子」というのが有り、主人が大切な砂糖を舐められたくなくて『「ぶす」と言う猛毒だから舐めないように』と家来に言い残して留守にする。そのすきに家来は全部舐めてしまい、見つかって問いたださる。そこで、死のうと思って舐め続けたが死に切れなかったと言い訳するのがある。
トリカブトは花の色といい形といい大変に魅力である。
しかし、くれぐれもカアチャンの土産にしないように。
霧の掌に粘華微笑(ねんげみしょう)のとりかぶと 加藤楸邨
★今週まで「草女」が投稿できませんので、去年書いてあって投稿しなかったものを投稿します。 (草女の連れ合い)