575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

団子釣りきょうはどこまで行ったやら   鳥野

2008年09月16日 | Weblog
今年は秋が来ないうちに”中秋の名月”、不安定な予報を聞きながら、どうなることやらと、案じていました。
ところが、当日14日夜だけ奇跡のような晴れ。宵のうちは気になっていた雲も月中天のころには、すっきりと取れて、申し分のない月見になりました。

そして15日は立待ち月。今夜は居待ち、臥待ち、更待ちから宵闇まで、名残りは尽きませんが、そのどれもが今年は期待薄のようです。
出てよし、隠されてよし、月ほど、詩歌句に愛されたものはないでしょう。

その風流な月見とは一味違って、子どもならではの楽しみを話してくれたのは夫。幼児期を過ごした甲府地方の慣わしのようでした。

「団子泥棒」とも「団子釣り」とも言って、月の供物の団子を盗んで歩くというのです。
竹や棒の先に釣り針とか釘を取り付けて、団子を吊り上げるらしいのですが、もっと詳しく訊いておけばよかった。

この夜ばかりは許される狼藉。盗まれる側も台や器を縁側に出して、子どもを待つという温かさ。今でも続いているでしょうか。

   ・ 月の辺に幻の白き花を置きただそれだけで夫の忌終える  
                       
                          鳥野

 
コメント (3)
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