575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

連句 青すすきの巻

2008年09月28日 | Weblog
青すすきの句から始まった連句。
初めての狗子さんが善戦です。
晴代さんも味のある付けで、面白い連句となりました。


①夏    青すすき居丈高に風つかむ       狗子
②夏    穴のなかより蟻の行列         遅足
③雑    ぎゅう詰めの弁当なれどなお足らず  晴代
④雑    牛丼店に急ぐ学生           狗子
⑤秋     満月を見上げて猫の道を猫       遅足
⑥秋     色付く秋の山に分け入る        晴代

⑦秋     渋柿のほどよい艶に騙されて     狗子
⑧雑    振り込め詐欺と母は気づかず     遅足
⑨恋     金欠も笑いにかえるデートなり    晴代
⑩恋     つれなくされて一人飲む酒       狗子
⑪恋     ままごとは今日も駆け落ち話へと    遅足
⑫雑     役柄きめてなりきるしぐさ        晴代
⑬冬    馬の小屋月の寒さの漏れ来たる    狗子
⑭冬    近所の火事に消えた野良猫      遅足
⑮雑     文机に雑念を置き故郷へ       晴代
⑯雑     改札口で猿の捕り物         狗子
⑰花    西国の桜は八分咲きと聞く      遅足
⑱春    卒業式を無事に迎える         晴代 
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鳴く虫、鳴かぬ虫。         愚足

2008年09月28日 | Weblog
 このところ灯を消し風呂の窓を開けて湯に浸かるのが、無上のひと時である。
 虫の声が全てを忘れさせてくれるからだ。
 
 ところで、俳句には「鳴かぬものが鳴く」という不思議な季語がある。

  蓑虫である。

   蓑虫の音を聞きにこよ草の庵      芭蕉
   蓑虫の父よと鳴きて母もなし      虚子

  次に蚯蚓。

   里の子や蚯蚓の唄に笛を吹く      一茶
   蚯蚓鳴く六波羅蜜寺しんのやみ     川端茅舎

  亀鳴くも同類だが、どれも何の抵抗もなく受け入れられる名句に成っている から、日本人は凄いと思う。昔の人は聴こえたのかも。

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