秋のとりわけ植物には、極端に言えば滅びるものの愛惜や情緒を読み込みたくなる。古き俳人が名句を残しているのもそうしたものが多い。
有る程の菊投げ入れよ棺の中 夏目漱石
わが行けばうしろ閉ぢゆく薄原 正木ゆう子
萩の風何か急かるゝ何ならむ 水原秋櫻子
しかしこんな現代風な句も詠んめたらなあとも思うが
空気銃撃ちし音菊ひやゝかに 山口誓子
貌が棲む芒の中の捨て鏡 中村苑子
白き萩消え繃帯の山がある 三橋鷹女
有る程の菊投げ入れよ棺の中 夏目漱石
わが行けばうしろ閉ぢゆく薄原 正木ゆう子
萩の風何か急かるゝ何ならむ 水原秋櫻子
しかしこんな現代風な句も詠んめたらなあとも思うが
空気銃撃ちし音菊ひやゝかに 山口誓子
貌が棲む芒の中の捨て鏡 中村苑子
白き萩消え繃帯の山がある 三橋鷹女