北海道旅行の途中サロマ湖にあるワッカ原生花園でこの植物に初めて出会ったときは、葉だけであった。マメ科のような葉を砂浜に伸ばし、直径1mぐらいの円を作っている。白みを帯びた緑色は人目を引くが、名前が、分からない。 次の出会いは宗谷岬のコンクリートの隙間に一枝、花をつけていた。小さな釣鐘状の花は、淡紅色、青紫色でかわいい。いつか図鑑で見たことがあるような気がするが、思い出せない。 出会いは続き、礼文島のゴロタ岬を訪れたとき、足を痛めていた私は、岬登りを連れ合いに任せ、小さな浜に降りた。小舟の横にはこの草が、群生し、花をいっぱい付けているではないか。で、思い出した。ハマベンケイソウ。ベンケイソウと名前にあり、葉はベンケイソウのように多肉質であり、弁慶のようにた くましいが、ムラサキ科ハマベンケイソウ属の多年草でベンケイソウ科とは全く無縁な草である。その隣に本物のベンケイソウの仲間達が美しい花をつけていたが・・・
観光客は、皆岬に登って行き、誰も貴重な海浜植物に気がつかない。私が夢中で
シャッターを切っているのに気づいてなにごとかだろうと思った女性が2人いたが、その人達も行ってしまった。
牧野富太郎氏は何十年も前に、高山植物と同様に海浜植物も保護しなければ、なくなってしまうだろうと言っている。原生花園のように保護されずに、本来の姿を保つことはとても難しいことだろう。今迄にそのような浜辺に出会ったのは、石垣島とここ礼文島だけだ。人口の少ない北と南の島というのも暗示があると思う。牧野さんの言葉が身にしみた。
弁慶と花の名前は強くとも
ひそかに咲くは最果ての浜
観光客は、皆岬に登って行き、誰も貴重な海浜植物に気がつかない。私が夢中で
シャッターを切っているのに気づいてなにごとかだろうと思った女性が2人いたが、その人達も行ってしまった。
牧野富太郎氏は何十年も前に、高山植物と同様に海浜植物も保護しなければ、なくなってしまうだろうと言っている。原生花園のように保護されずに、本来の姿を保つことはとても難しいことだろう。今迄にそのような浜辺に出会ったのは、石垣島とここ礼文島だけだ。人口の少ない北と南の島というのも暗示があると思う。牧野さんの言葉が身にしみた。
弁慶と花の名前は強くとも
ひそかに咲くは最果ての浜