575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

エゾニュウ 草女

2009年07月10日 | Weblog
 網走からオホーツク海に沿って、北上したのは、7月の初め。北に行くにつれ、道の左右の草地に大きなセリ科の植物が現れた。大型なセリ科といえば、シシウドかオオハナウドと思っていたが、それが違った。
 網走と宗谷の中間にあるクッチャロ湖のベニヤ原生花園では、2、30本が小山のように盛り上がってまさに咲かんとしている。茎は直径5,6cm、草たけ2,3mはある。
 クッチャロ湖のビジターセンターの人にエゾニュウと教えてもらった。その人もエゾニュウを好ましく思っているらしく、「枯れてからもいいんですよ。」と去年のエゾニュウを手に説明してくれた。ものみな枯れた原野に枯れたエゾニュウは枯れたまま立っている。もちろん花はないが、放射線状の花茎は残って、原野の寂しさを強調することだろう。                          「ソングポストにもなるんです。」鳥が縄張りなどを主張するための高い草木の事である。その前日、枯れたエゾニュウの茎でノゴマ(北海道などで繁殖する夏鳥)が盛んに囀っているのを見ていた。

 北海道は大きい、その北海道にぴったりの草。今回、たくさんの花に出会ったがこのエゾニュウが一番印象に残った。

 調べてみると、ニュウはアイヌ語であるが、意味はわからないとのこと。同じ仲間にアマニュウという大型の草があり、これは茎が甘いそうだ。エゾニュウも山菜として食べるという。さぞ食べでがあるだろう。

  烈風に北の大地のエゾのニュウ      ぐ
  エゾニュウの林立するや鳥の宿
  エゾニュウの力強さは父に似て
コメント
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