575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ナンキンハゼ       草女

2009年07月24日 | Weblog
海上の森のサテライトの近く、大きなナンキンハゼがある。黄色の雄花の花序(花をつけた茎または枝)が今年も木を覆い、蜂が集まっている。毎年のことであるから、別に気にもせず通り抜けようとしたとき、仲間の一人が言った。「雌花をみつけよう。」
ナンキンハゼの雌花? 今まで考えたこともない。雌雄別種? この木の実を見たことがない。

ナンキンハゼは名前のとおり中国から江戸時代に渡来し、その実から櫨の如くロウを採った、トウダイグサ科シラキ属の落葉高木。秋には美しく紅葉し、冬には、白い実が小さな星のような姿をみせる。夏は葉柄が長いため、サラサラと葉が風に揺れ清涼感を感じる。だから、名古屋市は街路樹として多くを植栽している。あまりにも身近な樹木であるから、観察しようと思わなかった。そこが私の欠点だ。

 仲間の言うように花序の基部を調べていくと、小さな雌花があった。雌雄別種ではなく、雌雄同種である。雄花が先に咲き、自家受粉を防いでいる。海上の森付近に他のナンキンハゼが見当たらないから、受粉できないでいるのか、私達が気付かないのでいるのか、この木の実を見ていない。                「これからようく観察しよう。」の仲間の言葉に頷くほかはない。

  街路樹の雌雄気になる歳になる
  街路樹の歳を愛しく思いけり
  街路樹に身をよせ拭う暑さかな
コメント (1)
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