ミゾソバ３兄弟 草女

ミゾソバ、ママコノシリヌグイ、アキノウナギツカミは花だけ見ては区別することができないほど、よく似ている。いずれもタデ科タデ属の1年草で、水辺などやや湿ったところに多く生える。花は枝先に10数個集まってつき、上部が赤く下部は白く、可愛い。ただし、ミゾソバには上部も下部も白いものがある。
　このそっくりさんを見分けるには、棘と葉を見る必要がある。
　どこにでもあるミゾソバにも棘があるが、3種類のなかで一番やさしい・・・触ってもそれほど痛くない。別名をウシノヒタイというのは葉の形から由来している。葉の先は鋭く尖るが、基部は耳状にはりばし、牛の額をおもわせる。

　ママコノシリヌグイという一度聞いたら忘れない強烈な名前は、茎や葉に下向きのびっしり棘が生えいかにも痛そうなので、つけられた。別名をトゲソバという。葉の先はミゾソバと同じようにとがるが、はりだしがなく三角形である。

　アキノウナギツカミにもしかっりと棘が生え、秋に咲いてウナギでもつかめるという意味からきている。この種の葉は細長く、基部が矢じり形で茎を抱いている。だから、迷うことなく断定できる。なお「葉が茎を抱く」とは葉が茎に回り込んでいるものを言う。
　花はそっくりでも、よく見ると違いが分かる。コーヒーを飲まないのでその違いはサッパリサッチャンであるが、違いが分かるにはそれなりの努力がいる。
　写真はミゾソバで、３兄弟のなかで一番数多く生える。それは、地表をはう茎は枝分かれし、先端に閉鎖花をつけ、まずは次の世代をクローンで確保し、それから他者の遺伝子をもらい、環境により適した世代を作るという策略の持ち主だからだ。

　　　

星ひとつ持って乗りこむ観覧車 遅足

船団の小枝恵美子ドクターの診断です。

夏から秋にかけての夜にぴったりの句です。
ロマンがあり迷いました。
この句が冬に投句されていたら、選ばないかなとも思いました。
冬の星だと寒々しくなります。
やはり季語があるほうがいいです。

　ありがとうございます。

小糠雨傘を持たずに秋の路 朱露

　　　　　　車検で車がないまま山裾を歩いた。
　　　　　　車で五分かからない所を三十五分。
　　　　　　これが生きているということだな。
　　　　　　五十年余りの車中時間は何なんだ。