聞こえないよー 鳥野

残暑に喘いでいた先月の中ごろ、弟分のキジトラ君の様子がどうも、おかしいことに気づきました。

名前を呼んでも反応がない、鳴き声がやたら大きい、一日中の殆どを物陰で眠っているなど。

日ごろから勝手流の猫め。そんなこともあろうかと思っていたのに。全聾になっていたのです。

群れをつくらず、単独待ち伏せで捕食するネコは、聴覚が命の綱。
ものの動く気配さえ聞き取ることができないのは、致命傷です。

夏風邪をひいて、青っ洟を飛ばしていたあの時が原因なのでしょうか。

満２１歳という老齢、ストレスをかけないで、そのまま見守って、と獣医さん。

１歳違いの姉貴ネコと、飼い主のワタシめと、高齢者３人組のヨタヨタ生活。
お互いに慰め合って、今のところ大過なし、です。

　　・　音のなき日々を生きゆく老い猫に手話する午後を蝉しぐれ降る

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鳥野

そぞろ寒食う寝る所住む所 朱露

　　　　「そぞろ寒」は本物じゃないので「秋」。
　　　　「スマトラ沖地震」をよそ事と思えない。
　　　　家などは簡単に壊れるものだと思い知る。
　　　　「食う寝る所住む所」は落語「寿限無」。