575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

キジョラン(鬼女蘭)とアサギマダラ(浅葱斑)    草女

2009年10月23日 | Weblog
蘭ではなく、ガガイモ科キジョラン属の常緑つる性の植物。木か多年草か意見が分かれている。花は秋が深まる今から咲き、翌年の冬、実が熟しす。13~15cmもある。
 袋果は二つに割れて長い白毛をもつ種子を出す。この様子が鬼女が白髪を振り乱しているようだとこの名前がついた。なかなか会えないでいたが、牧ノ原市女神山の植ウオッチに参加して、鬼女蘭に出会うことができた。まだ緑であったが、実も見つけることができた。いつか割れた実に出会いたいものだ。

 キジョランは同族のイケマとともにアサギマダラの食草である。幼虫は葉の表面をまず円を描くよう傷つける。というのもガガイモ科の植物は傷つけられると有毒な白い汁を出す。汁を葉の外に出しておいてから、円の内側をムシャムシャ食べる。何という賢さだろう。だから、キジョランの葉には丸い穴があることが多い。
 渡りをする蝶として有名になり、大勢の人々がマーキングに参加するようになったアサギマダラの行動がだんだんわかってきたが、まだまだ謎が多い。暑くなると、高地へ移動し、秋になると平野部に降りてくる。そうした垂直移動についで、南への大移動が始まる。その飛行距離は最高で1600km、所要時間は17日から1カ月。八重山諸島を超え、台湾まで飛行した個体がいる。アサギマダラは蝶としてはたいへん寿命が長く4カ月もあるから渡りが可能になる。ただ鳥のように一つの個体が行って帰るというのではなく、世代を繋いで渡る。名前の由来である浅葱色が目立ち、ファーファーと優雅に飛ぶ姿には1000kmも飛ぶエネルギーは感じられない。しかし、八重山諸島では、10月になると、それまで見られなかったアサギマダラが目立つようになるという。南の島から本州に渡たる個体より、本州から南へいく個体の方が圧倒的に多い。彼らは終焉の地を求めて渡るのか?ただただ不思議。
コメント
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