575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

山麓にくしゃみ轟く秋の朝    朱露

2010年10月15日 | Weblog

   晴れた早朝県道越しにくしゃみの音。
   車の往来を乗り越えるしたたか者だ。
   とメモするや否やたまらずくしゃみ。
   男を探すがくしゃみしないとダメだ。

      のち



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ヒガンバナ                 草女

2010年10月15日 | Weblog
今年のヒガンバナは例年より2~3週間遅れて咲いた。夏の暑さのせいではなく9月の高温に影響された。ヒガンバナのつぼみは5月中旬にでき、夏の暑さの中では成長しないで、秋の涼しい気温を感じると一気に成長がし、花を咲かせる。花は形といい、色といい抜きんでて美しい。最近同じ仲間で園芸種のネリネが「ダイアモンド・リリー」の名で人気を集め、ヒガンバナ球根も通信販売をされるようになった。50年前の日本では想像すらできない現象である。

今でこそ和名はヒガンバナに治まったが、異名が多く千を超えるという。「火事花・死人花・地獄花・幽霊花・剃刀花・狐花・捨て子花・はっかけばばあ・・・」等など殆どが忌み嫌われていることを現した名前である。個人的にはマンジュシャゲが
好き、これは天上に咲く赤い花を意味するそうだ。

 稲作が始まったころ中国から渡来した。全草有毒であるが、特に鱗茎にリコリンという強烈なアルカロイドを含む。その鱗茎に澱粉質が多いので飢饉に備えて人々が植えたと言われているが、実際に食べられたか分かっていない。この毒性を地中の小動物対策に使ったと考えられている。墓や畔や土手をモグラ、ネズミなどが掘らないように植えたのだ。

  ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。この草は花が咲くとき葉がない。通常の草ではあり得ない様子を人々は忌み嫌ったかもしれない。花が枯れたあと光沢のある肉厚の細い葉がたくさん出てきて翌春までしっかり光合成を行っ枯れる。異名に「葉見ず花見ず」というのもあり、この草の生活の様子を表現している。

 我が国のヒガンバナは実を結ぶことができない。3倍体の植物、つまり種なし西瓜と同じ仕組みである。花の後子房が膨らむが中に種子はない。ではどのようにして、こここまでー 北海道から沖縄まで分布を広げたか。1かけの鱗茎があれば2,3年後には1群のヒガンバナになっているという強さを利用して人々がせっせっと植えてた。

 だから、日本のヒガンバナは全てクローンなのだ。日本のどこに生育していても同じ遺伝子を持っている。同じぐらいの背の高さ、同じ地域ではほぼ一斉に花が咲くし、花の大きさや色もみんな同じという訳がここにある。

  だが、とても不思議なことがある。最近白いヒガンバナが植えられているのを見かける。これは黄色の花を咲かせるショウキゼイセン(ヒガンバナ科)と赤い花のヒガンバナを交雑させて作ったといわれている。3倍体なのに? 中国には2倍体のヒガンバナがあるという説もあるが・・・因みに白いヒガンバナの和名はシロバナマンジュシャゲという。ちょっと待って、マンジュシャゲは天上に咲く赤い花のはず、私なら素直にシロバナヒガンバナとするのに。

  
コメント (1)
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