575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

露の句を楽しむ⑧    遅足

2010年10月29日 | Weblog
  露降りて子方の獅子の稽古舞  結宇

音が聞こえてくる句。
夜が更けても、村の秋祭りの獅子舞の稽古が続く。

以前、奥三河の花祭りの取材にいった時、
父が子に舞を教える様子を撮影させてもらった。

人間が土地に根付いて生きてきた長い時間。
親から子へ、舞が受け継がれてゆく。

大地に張り付いて生きてきた人間の動きに対して、
天から露が降りてくる上下の動きが重なって
スケールの大きな句になっている。

祭りは、一年に一度、本番の舞は一回かぎり。
露のはかなさをも思わせる。はかないから美しい。




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すき焼きを二人で食べて鍋けなす    朱露

2010年10月29日 | Weblog

     この冬初めてのすき焼きなのに鍋の悪口。
     鉄鍋じゃないとすき焼きにはならないな。
     少し錆が出ていたからきょうのところは。
     錆なんか洗えば落ちる、で肉はなくなる。

               


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センブリ                 草女

2010年10月29日 | Weblog
海上の森のセンブリが咲き始めた。リンドウ科センブリ属の2年草で猛烈に苦い。細
い小さな葉を1度噛むとその苦みは飴を舐めた位では消えず、ご飯を食べるまで続
く。なにしろ、センブリの名前の由来は「千回振出してもまだ苦い」というとこからつけ
られたとされている。苦み成分は数多くの苦味配糖体であり、なかでもアマロスエリンと
いう苦味配糖体は天然物で屈指の苦い物質である。

 そして、ドクダミやゲンノショウコと共に有名な薬草であり、日本固有の生薬であ
る。ここまでは知っていたが、インターネットのウィキペディアに驚く記事があった
ので紹介したい。

 センブリを胃薬に用いるようになったのは、シーボルトが、近江路の製薬所で
俵に入ったセンブリをゲンチアナ(ヨーロッパに分布するリンドウ科の多年草で根や
根茎は苦味胃健作用がある)と間違えてからで、そんなに昔からではない。

 苦味配糖体以外には、特に薬効成分は含まれておらず、苦味が舌を刺激して、
食欲増進などに効果が有ると言われるほかには、胃の疾患に効果がない。

 けれど、ネットの他の記事によれば、胃薬や育毛剤として有効とするものも多い。
さてどちらが正しいか悩むところでるが、古代の人々の植物への知識は大変深い。そ
の人達が、薬として使っていなく、勘違いしたシーボルト以降となれば、答えは決まっ
て来ると私は思う。

 観光地の土産物店などで、乾燥したセンブリが売られているのを見かける。乾燥品
は医薬品とみなされ、薬事法の許可無く販売することは薬事法違反になるそうだ。こ
れもウィキペディアの薬効分がないという記事と矛盾するが、良薬はやっぱり苦い事にしておこう。

 森のセンブリはそんなことはかまわず、可愛い花をもうしばらく見せてくれるだろ
う。


コメント (1)
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