名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。
陰干しの唐辛子を焙り味噌汁に少々。
今朝の皮の焦がし方はどうかで悩む。
種を数粒入れて激烈にするかどうか。
仲間にピーマンが居るが彼は腑抜け。
コスモスのあざやかな色に本の白いページ。
そして白い風。白秋というように秋の色は白。
本、白い風という道具立ては古典的ですが、
爽やかさが伝わってきます。
高柳克弘さんの句集「未踏」の中の一句です。
作者は、昭和55年生まれ。
若い人ですが、ひらがなが好きなようで、
ひらがな愛好家の私としては
とても読みやすい句集でした。
やわらかくわれを拒むや芒原
この句などもひらがなの表記が効果的です。
句を支えているのは巧みなレトリック。
良夜なり長き小説ながく読む
長編小説を読むというだけのことなのに、
見事に俳句になっています。
気に入った句は、
桐の花ねむれば届く高さとも
現代風俗を詠んだ句もありますが、一句だけでした。
さみだれや擬音ひしめくコミックス
(遅足)