575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

唐辛子この一本が今日の生    朱露

2010年10月16日 | Weblog
    陰干しの唐辛子を焙り味噌汁に少々。
    今朝の皮の焦がし方はどうかで悩む。
    種を数粒入れて激烈にするかどうか。
    仲間にピーマンが居るが彼は腑抜け。

            



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本あけて風の白さや秋桜  高柳克弘

2010年10月16日 | Weblog
コスモスのあざやかな色に本の白いページ。
そして白い風。白秋というように秋の色は白。

本、白い風という道具立ては古典的ですが、
爽やかさが伝わってきます。

高柳克弘さんの句集「未踏」の中の一句です。
作者は、昭和55年生まれ。

若い人ですが、ひらがなが好きなようで、
ひらがな愛好家の私としては
とても読みやすい句集でした。

  やわらかくわれを拒むや芒原

この句などもひらがなの表記が効果的です。

     

句を支えているのは巧みなレトリック。

  良夜なり長き小説ながく読む

長編小説を読むというだけのことなのに、
見事に俳句になっています。
気に入った句は、

  桐の花ねむれば届く高さとも

現代風俗を詠んだ句もありますが、一句だけでした。

  さみだれや擬音ひしめくコミックス

                  (遅足)




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