575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

秋日和わかつ菓子あり何言はむ      中村汀女

2012年08月20日 | Weblog
信濃の諏訪大社(下社秋宮)の門前にある
「新鶴本店」の塩羊羹を詠った句です。
先日、はじめて買ってみました。
普通なら真空パックがしてあるのでしょうが、
ここの羊羹は、生ものですから早くお召し上がり下さい、とあり、
賞味期限は一週間くらいとのこと。
たしかに甘さのなかにほんのりとした塩味。結構いけます。

信州は海のない国。それだけに塩は貴重品。
塩に対する味覚も敏感になったようです。
こうした舌の持ち主だった初代が羊羹に塩味を
加えることを思いつきます。
砂糖や餡とのなじみ具合、寒天との折り合いに苦心しながら、
作り上げたのが新鶴の塩羊羹とのこと。

真っ青な秋の空。
気のあった人と会い、お菓子を分け合う。
こんな幸せは他にあろうか・・・
この塩羊羹、甘すぎず、人生の塩味が効いて
親しい人とのひと時を過ごすお茶菓子にピッタリ・・・
春ではなく秋が合います。

                    遅足
コメント
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