575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

熱砂の浜 あだんの写生 吾一人   田中一村

2016年12月18日 | Weblog
奄美空港のすぐ近くにある奄美パーク。
そのなかに田中一村・美術館がありました。
一村は、自らの絵に行き詰ったのでしょうか。
スケッチ旅行で訪れた奄美大島が気に入って、50歳の時、移住します。
大島紬の染色工として働き、60万円の郵便貯金を蓄えたあと、画業三昧の生活に。
1977年、69歳で亡くなっています。
一生、結婚もせず一人暮らしでした。

無名に近い存在でしたが、没後、日本のゴーギャンなどと呼ばれ、脚光をあびます。
私もNHKの『日曜美術館』で一村を知りました。
アダンの実を描いた絵が印象に残っていました。
冒頭の一句(?)は一村がスケッチ・ブックに残した575です。
他には、こんな575も。

  奄美流寓 二階に娼婦 下に吾

  恋文の代筆果たす 吾五十二

一村は、余白を大切にする伝統的な花鳥画に秀でていました。
それが亜熱帯という奄美の森や海との出会いによって、
余白を感じさせない濃密な絵画空間を生みだしました。
亜熱帯の森の植物や鳥、蝶は一村の創造力を刺激してやまなかったようです。

  十二月の温き雨降る空港を飛び立てば奄美の島は眼下に

写真は美術館に展示されていたアダンの絵です。どうも複製のようでした。

          

今日はあたたかくなりそうです。キッチンの掃除をしないと・・・




コメント
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