575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

夕暮れの天橋立鳥渡る   郁子

2016年12月10日 | Weblog
天橋立は、京都・宮津市の宮津湾と内海を隔てる砂州。
松林の緑が美しい日本三景の一つです。
観光客は、天橋立を見下ろす高い場所へ。股のぞきも。

夕暮れ時、時々刻々と色を変えてゆく空。
眼下には天下の名勝、天橋立。
再び目をあげれば、鳥が渡っていきます。

絵のような句です。しかし何か物足らない気も。
17文字が実景に及ばない感じがします。

夕暮れ、を旧仮名にしてみてはどうでしょうか?

  ゆふぐれの天の橋立鳥渡る

初句が旧仮名になると、小さな違和感が生まれます。
この瞬間がどんな効果を読み手に与えるのか・・・
小さなテクニックですが。

枕詞を使う方法もあります。

  ひさかたの天の橋立鳥渡る

  光降る天橋立鳥渡る

          

17文字しかない俳句は意味を伝える詩形ではないようです。
読み手の想像力を刺激出来るかどうか、が勝負。
小さな?を、感じさせる工夫が要るようです。

  十二月八日 掌をうらがえす   遅足

?と思って下さったら成功ですが・・・
意味はありません。

コメント
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