江戸時代前期の画家、土佐光起が秘伝として門人に与えたという「本朝画法大伝」に
「白紙も模様のうちなれば、心にてふさぐべし」とあります(「日本画の精神」坂崎担・著) 。
日本画の本質を述べた言葉として、知られています。
この「 余白の美 」は、日本の伝統的な俳句や短歌の世界にも通じると思います。
遅足さんの云う「説明ではなく詩に」と云うことでしょう。
私は長年、テレビのナレーションを書いてきましたが、それは「 余白」を埋める
作業だったということになります。
ナレーションは基本的に映像の説明、補助的な役割を担っていると思います。
"分かりやすい言葉で、簡潔に、映像の流れを邪魔しないように"をモットーにしてきましたが、
どうしても、見てもらいたいシーンにはわざと、もたもたした表現を使ったりすることもあります。
ナレーションは、語り手が声にすることによって、初めて評価されるものだと思います。
語り手を想定して、その人の語り方、スピードなどを考えながら、書く必要があります。
「余白」を埋める作業。それは真実に迫ること。常に疑問を持つことにこだわることだと思います。
想像力で「余白」を埋めればよいものを、行き過ぎも出てきます。
若い頃、高村光太郎の詩が好きだった私は「智恵子抄」の舞台になった智恵子の故郷、
福島県二本松市へ行ったことがあります。初夏の頃だったと思います。
あれが阿多多羅山(あたたらやま) あの光るのが阿武隈川 (あぶくまがわ)…
光太郎と智恵子がよく散歩に出かけたという小高い丘に登って、見渡してみると、
北側に安達太良山 (あだたらさん・阿多多羅山のこと) はバッチリ望むことができましたが、
南側の阿武隈川はいくら目を凝らしても確認できませんでした。
緑の多いシーズンで天候の具合もあったのかもしれません。
芭蕉「古池や 蛙飛びこむ 水のおと」
子供の頃、我が家のハス田の周辺にカエルが沢山いて、近ずくと、田んぼへ急いで
移動しましたが、その際、水へポチャンと飛び込む姿は見なかったように記憶しています。
カエルも色々 種類があって、一概に言えないと思いますが…。
現実の情景を見て、如何にその情景を頭の中で昇華させるか、デフォルメさせるか、
その際、川の位置やカエルの飛び方を正確に伝える必要などなく、
文芸はフィクションの方がよいと思いつゝも、ついつい気になってしまいます。
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強風のため糸魚川では思わぬ大火となってしまいました。
一夜明けて今朝は晴れ。これから寒くなるとのこと。
被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
この投稿は、事実を追求するドキュメンタリーを制作してきた竹中さんならでは、ですね。
現役のころ、ドラマのロケに行った場所に霧が出て、素晴らしい農村風景が目の前に。
現場にいた竹中さんが指摘しても、演出家は見向きもしなかったというエピソード。
ドキュメンタリーとドラマの違いを物語っているようでした。
写真は竹中さんの息子さんの絵です。 (遅足)
「白紙も模様のうちなれば、心にてふさぐべし」とあります(「日本画の精神」坂崎担・著) 。
日本画の本質を述べた言葉として、知られています。
この「 余白の美 」は、日本の伝統的な俳句や短歌の世界にも通じると思います。
遅足さんの云う「説明ではなく詩に」と云うことでしょう。
私は長年、テレビのナレーションを書いてきましたが、それは「 余白」を埋める
作業だったということになります。
ナレーションは基本的に映像の説明、補助的な役割を担っていると思います。
"分かりやすい言葉で、簡潔に、映像の流れを邪魔しないように"をモットーにしてきましたが、
どうしても、見てもらいたいシーンにはわざと、もたもたした表現を使ったりすることもあります。
ナレーションは、語り手が声にすることによって、初めて評価されるものだと思います。
語り手を想定して、その人の語り方、スピードなどを考えながら、書く必要があります。
「余白」を埋める作業。それは真実に迫ること。常に疑問を持つことにこだわることだと思います。
想像力で「余白」を埋めればよいものを、行き過ぎも出てきます。
若い頃、高村光太郎の詩が好きだった私は「智恵子抄」の舞台になった智恵子の故郷、
福島県二本松市へ行ったことがあります。初夏の頃だったと思います。
あれが阿多多羅山(あたたらやま) あの光るのが阿武隈川 (あぶくまがわ)…
光太郎と智恵子がよく散歩に出かけたという小高い丘に登って、見渡してみると、
北側に安達太良山 (あだたらさん・阿多多羅山のこと) はバッチリ望むことができましたが、
南側の阿武隈川はいくら目を凝らしても確認できませんでした。
緑の多いシーズンで天候の具合もあったのかもしれません。
芭蕉「古池や 蛙飛びこむ 水のおと」
子供の頃、我が家のハス田の周辺にカエルが沢山いて、近ずくと、田んぼへ急いで
移動しましたが、その際、水へポチャンと飛び込む姿は見なかったように記憶しています。
カエルも色々 種類があって、一概に言えないと思いますが…。
現実の情景を見て、如何にその情景を頭の中で昇華させるか、デフォルメさせるか、
その際、川の位置やカエルの飛び方を正確に伝える必要などなく、
文芸はフィクションの方がよいと思いつゝも、ついつい気になってしまいます。
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強風のため糸魚川では思わぬ大火となってしまいました。
一夜明けて今朝は晴れ。これから寒くなるとのこと。
被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
この投稿は、事実を追求するドキュメンタリーを制作してきた竹中さんならでは、ですね。
現役のころ、ドラマのロケに行った場所に霧が出て、素晴らしい農村風景が目の前に。
現場にいた竹中さんが指摘しても、演出家は見向きもしなかったというエピソード。
ドキュメンタリーとドラマの違いを物語っているようでした。
写真は竹中さんの息子さんの絵です。 (遅足)