575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

濤声      麗

2017年06月01日 | Weblog
今日から6月ですね。
スーパーの野菜売り場では青梅が出回り始めました。赤紫蘇も売っていたので、今日は紫蘇ジュースを作ろうと思っています。

さて、先日、初めて豊田市美術館に出かけました。地下鉄鶴舞線が名鉄に乗り入れており、豊田市駅で下車。見晴らしのいい高台にありました。建築家谷口吉生の設計で現代美術の作品を多く収蔵しています。二階の屋外には一面の水辺の空間が広がり、とてもおしゃれな外観の素敵な美術館でした。

その豊田市美術館で今開催されているのが、「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」です。
鑑真和上坐像を治める御影堂の障壁画は68面の襖からなります。全長80メートルを超える大作に挑戦した東山魁夷は1971年から10年、3回に分けて制作したそうです。

今回はそこから5つの襖絵が展示されています。中でも見事なのが「濤声」というエメラルドグリーンの海の波涛を描いた大作。白波が立つ様子、岩にぶつかる波の音まで聞こえてきそうな力作です。その繊細な波の様子と美しい色彩には眼を見張ります。

そして、視力を失い、二度と故郷揚州の風景を見ることができなかった鑑真さんに祖国の風景を描き捧げた東山魁夷の優しさに心動かされました。
できれば奈良の唐招提寺でその全ての襖絵をぐるっと見てみたいものですが、美術館でみる襖絵も圧倒的な存在感を放っていました。
丁寧なスケッチや下図、割下図なども展示されていますので、まだご覧になっていない方はぜひどうぞ。(結構、混んでいます)
6月11日まで開催されています。

           濤声が聞こえし夏の美術館  麗  
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