575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

街路樹の若葉かぐわし朝の風   立雄

2017年06月07日 | Weblog
朝の散歩が日課の作者、匂いに敏感。
若葉の頃には風がかぐわしい・・・と詠みました。

季節の移り変わりに美意識を磨いてきた日本人。
『若葉のかおり』という和菓子も。
楓の焼印を押した緑の道明寺饅頭。、
若葉の香りを含む初夏の風を表現したものだとか。

織田作之助『青春の逆説』には、こんな若葉の匂い。

 ゴールデン・ウィークが終わり、梅雨が来るまでの時季、
 夜になると若葉が香る。
 それは新緑という名の持つ爽やかさからは想像しづらい
 ムッと立ちこめた草木の匂いで、決してかぐわしい、
 という種類のものではない。
 けれども僕はこの匂いが好きで、ぼんやりと霧に曇った夜、
 四辺から立ち上る新緑の、思わず息を止めてしまいそうな
 生気の籠もった匂いを嗅ぐと、なぜだか無性に懐かしくなり、
 と同時に切なくやるせない気持ちに襲われてしまう・・・。

同じ若葉の匂いでも、朝と夜とでは違うモノですね。

          

九州は梅雨入り。名古屋も朝から雨が・・・
若葉の季節が終わり、梅雨が始まりますね。

                 遅足
コメント
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