575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

流れ星句会   麗

2018年08月23日 | Weblog
またまた厳しい残暑となった昨日。新装なった芸文会議室で句会が行われました。郁子さんから
両口屋の「旅まくら」の差し入れあり。ご馳走さまでした。
また今回から「千香子さん」が新入会されました。どうぞよろしくお願いいたします。

なかなか夜空を見上げる機会が少なくなった昨今。「流れ星」のお題は難しかったでしょうか?そもそも流星とはなんぞや?理系の安藤さんがお休みだったのが残念でした。
(宇宙塵が大気中に飛び込み摩擦のために高温を発して燃え尽きる現象だそうです。)
ちなみに右から左に走る流れ星は着物の懐に入るので、縁起がいいという言い伝えもあるそうです。

そんな中、圧倒的な得票を集めた恐竜の一句。発想のセンスに恐れ入りました。
では一言講評です。

題詠「流れ星」

①流れ星志士しかと踏む国境(くにざかい)

西郷どんのような維新の志士たち、脱藩浪士の龍馬でしょうか?物語性のある一句です。流れ星より「星走る」としたらより決意が伺えるとの声もありました。

②流星や声なき声のメッセージ

星からの最後のメッセージに何かを感じ取ったことを詠みたかったのですが、具体性にかけます。

③満天の星また一つ流れけり

そのままの素直な一句。「また一つ」に喪失か喜びか?

④孫の手の一期一会や流星群

お孫さんと見る流星群。「孫の手の」の「の」に再考のアドバイスあり。貴重な一瞬ですが。


⑤恐竜の深き眼に星流る

一気に恐竜のいたジュラ紀までさかのぼった壮大な一句。恐竜たちも流星を見たのでしょうか?「深き」にもう一ひねり欲しいという特待生ならっではの注文も。お見事でした!!


⑥流れ星すいこまれゆく青い闇

こういう感じわかります。「青い闇」が苦労されました。

⑦合宿所睡魔吹っ飛ぶ流れ星

思い出の一句でしょうか?やや説明的というアドバイスがありました。


⑧拘置所の開かずの窓や流れ星

鉄格子から見る流星。なんとなくやるせない気持ちになります。もしかしたら無実の人も。


⑨人工衛星と七歳の声浜の夏

人工衛星を流れ星と見たのですね。

⑩闇に寝て流れ星待つキャンプかな

セブンズ園原で実際に星を見た作者ならではの一句。キャンプしてみたいです。


⑪流星にあこがれ出づる船の旅

満天の星空を船上から見る贅沢。そんな旅、あこがれます。実際にはお天気悪く見られなかったそうです。残念!


⑫絶滅種あまた流るる星あまた

地球上から消えゆく多くの絶滅種。そして、宇宙から消えゆく多くの流星。これまた壮大な一句。こちらも恐竜から発想したそうです。


⑬銀河よりこぼれて二つ流れ星

「こぼれて二つ」がなんともロマンチック。織り姫と彦星と詠んだ人も。

いかがでしたでしょうか?

今回の運座(この言葉初めて知りました)で議題に上ったのは「報告句」の難しさ。単なる報告でなくそこに読み手の想像力や共感を得られることが大切なのでは?という名人からのお言葉でした。
凡人からの脱出はなかなか険しいです。
来月は秋らしい「栗」がお題です。
皆さん、特待生目指してがんばりましょう!!


コメント
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