人外花境

暇人の何でも自然観察日記

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大千軒岳金山番所跡その2

2006年02月08日 | 今日の雑感雑記

Bannsyo2

 初期の十字架の写真が残っていました。今となっては、何処が金山跡なのか定かでは ありません。千軒岳の金採取は、河床の砂礫の中に混じっている砂金を「流し堀り」によ って採掘していた様です。一部の文献には、金鉱脈からも採掘したと書かれていますが、 詳しい事は解りません。

 千軒岳の地質は、ジュラ紀の付加体である緑色岩・粘板岩・チャートなどの基盤岩に、 花崗閃緑岩が貫入したものです。日本の金鉱床は、火山フロントに沿った浅熱水鉱床が 大部分です。代表的な物に、鹿児島県の菱刈鉱山が有ります。推定埋蔵量200tと言われ ています。千軒岳は火山フロントから外れており、熱水変質の兆候も有りません。砂金の 元となる金鉱脈の存在自体が不明とも言われています。

 金鉱床には、大きく分けて島弧型金鉱床と大陸型金鉱床が有ります。日本の場合は、 もちろん島弧型金鉱床ですが、北上山地の大谷と言う所に一カ所だけ大陸型金鉱床が 有ります。北上山地から北海道松前半島にかけては、同じ付加体の地質構造ですから、 千軒岳金鉱床も大陸型金鉱床なのかも知れません。