今まで旅先で食い物に気を使うことはあまりなかった。
食い気よりも、何か珍しさを探してウロウロと歩き回るのに忙しかったのである。
先日の旅では、硫黄島の民宿の朝食に青菜のお浸しが出た。
パリッとした歯触りに何とも言えぬ味と香り、あえて例えるならば
くせの無い採れたての山菜の味と香りとでも言おうか。
「これは何の菜ですか?」オカミいわく「家の畑で今朝採ってきたホーレンソーだが
不味いですか・・・・?」
とんでもない!すごく美味しいのです。
美味しすぎてホーレンソウーとは解らなかったぐらいです。
そこいら辺のスーパーで売っているホーレンソーとは明らかに別物
もしかしたら種類が違うのかも。
朝宿を出るとき昼食の弁当を作ってくれる。
梅干しと高菜の混ぜご飯のオニギリを月桃の葉にくるんだもの。
オカズは卵焼きにウインナー、塩味の効いた飛び魚の乾物、
ピリッと辛みの効いた大根の味噌漬け等々。
露天風呂の側で海を眺めながら食べたオニギリ弁当、これがまた美味しかったのです。
食い物の写真を撮ることなぞないのだが、こればかりは思わず一枚。
唯のお浸しやオニギリ弁当が美味しいと思う様になるとは、やはり齢ですかな。