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人外花境

暇人の何でも自然観察日記

主に野歩き山歩き.たまに旅歩きの写真ブログ

一仕事現場の地質

2007年10月14日 | 今日の雑感雑記

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 現在行っている一仕事の現場に分布する地質は、アンモナイトやイノセラムスの化石が多産する事で知られる 白亜紀の上部から中部蝦夷層群です。仕事とは別の目で、アンモナイトやイノセラムスの化石を探したのですが見つ かりませんでした。

 この場所は、最初上から回り込んで下を見たのですが、どうも足下が無く空中に立っている様な気がしたので、 崖を降り下から見上げてみました。案の定木の根が絡まりつり棚状になった場所に立っていたのです。アブナイ・ アブナイ、たまにはこんな事もあります。

 これは蝦夷層群の砂岩・泥岩の地層が直立している所です。砂岩は風化に強いので、柱状になって上の地盤 を支えている訳です。日高山脈から夕張山地にかけては、東からのプレートの動きによって地層が極端に褶曲しこの 様に成ってしまうのです。ではこの地層、左右どちらが上盤(若い地層)でどちらが下盤(古い地層)でしょうか?そ れを解明するのがこれからの仕事です。


竹富島の古生層と石庭

2007年10月13日 | 今日の雑感雑記

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 八重山諸島にも付加体由来の古生層が分布する事は、だいぶ前このブログでもご紹介しましたが、これは竹富 島集落の中心部に露頭する硅岩です。皆さんは、なごみの塔に登ったとき前方の風景ばかり見ていますが、後ろ を振り返ればこれが見えます。

 「新南島風土記」 新川明 2005年12月 の中に「古びた石垣にかこまれた狭い庭に見事な石庭がある」との 記載と共に古い写真が載っていた。その写真は「西塘御嶽ちかくの一軒の民家を訪ねると・・・」とあるのでこの写真 とは違う場所であるらしいが。実はこの本を読んだのは八重山旅行の前であった。本文中に「・・・残された石庭の 一部も精一杯の労力をつぎこんで削りとったもの・・・」とあり、琉球石灰岩なら簡単に削り取れるだろうに?と不思 議に思っていたら何と硅岩だったのだ。これは硬くて削れない。


与那国島の段丘砂礫層

2007年10月11日 | 今日の雑感雑記

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 我々本土に住む地質屋は、段丘砂礫層のイメージとしてチャート・硅岩・緑色岩などの古生岩や花崗岩の円礫 などを含む淘汰の悪い(粒径が揃っていない)砂礫層を思い浮かべますが、世の中にはこんな段丘砂礫層も有りま す。これは与那国島の宇良部層に属する段丘砂礫層で、琉球石灰岩を不整合に覆う事から第四系です。

 最大礫径は2m以上あり、第三期中新世の八重山層群の砂岩礫です。マトリックスも八重山層群由来の砂や シルトから構成されています。与那国島は第四系の琉球石灰岩と新第三系の八重山層群のみから成っています。 最も近い西表島や台湾島からも100km以上離れています。基盤岩以外の砂礫供給源が無ければ、この様な段丘 砂礫層が出来るものなのですね。


唐辛子テロリストに成りかけた話

2007年10月10日 | 今日の雑感雑記

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 例に寄って本文と写真とは何の関係も有りません。でも此は何の実でしょうか?一仕事の現場で撮った写真で す。

 実を言いますと先日一仕事の現場で、熊スプレーを浴びてしまいました。車の荷台に置いて有ったのを知らず に、トリガーの上に荷物を置いてしまったのです。私の左半身とリュックにもろに当たってしまいました。流石カプサ イシン主成分の熊スプレーです、そのリュックを背負っての一日はクシャミと鼻水の連続でした。

 でも問題は、いかにして電車を乗り継いで家に帰るかです。このままリュックを背負って電車に乗ったら、異臭騒 ぎで警察に通報されるのは目に見えています。アルバイト先でゴミ袋を貰い、リュックをグルグル巻きにして電車に 乗りました。それでも地下鉄のホームで、私の前を通った人がクシャミをしていました。やはり恐るべきは熊スプレ ーです。

 


知人に聞いた話

2007年10月09日 | 今日の雑感雑記

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 写真は本文と何の関係も有りません、唯の埋め草です。

 アラブ世界に詳しい知人に聞いた話を紹介します。イスラム過激派は、日の丸に向けてロケット弾を発射する事 は有っても、ドラエモンやくれよんしんちゃん等のアニメキャラに向けては撃たない、とのこと。かって日本の代名詞 はソニーにホンダであったが、現在は幾多のアニメキャラで有るらしい。ゴリゴリの狂信的イスラムテロリストも、ドラ エモンの前では唯の人ということか。海外派兵の自衛隊の装甲車には、日の丸の代わりにドラエモンを描くべきで す。それで十分に日本の軍隊であることは解るし、撃たれないですみます。

 日の丸に拘るのは、日本の心情的テロリストだと極言しておきましょう。世界の目は、日本の象徴は日の丸で はなく、ましてや能・狂言や歌舞伎などではなくアニメこそが日本文化だと見ているはずです。麻生太郎さん、あんた は或る意味正しい。


森を彷徨えば雑念が多くなる

2007年10月06日 | 今日の雑感雑記

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 藤原新也は「全東洋街道・上」の中で、西東洋の鉱物的世界・・・イスラム世界(私的にはキリスト世界も含む)、 東東洋の植物的世界・・・ヒンドゥ・仏教世界と書いた。また山折哲雄は、ナザレからエルサレムまでの150kmは 砂漠・砂漠・砂漠・・・・、頼るべきものを天上の彼方に求めざるを得なかった、と書いている。

 一神教と多神教の出自を表現していると解釈しているが、東アジアのモンスーン気候地帯の森を彷徨っていれ ば(現在の一仕事のこと)、何となく理解出来る様な気がする。この森の中からイスラム教やキリスト教が生まれて くるとはとても思えない。森の中は、仕事を抜きにして愚にも付かぬ雑念が多くなるのだった。


縄文杉と人前の神様

2007年10月04日 | 今日の雑感雑記

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 山歩きも後数日で終わる予定、知らぬ間に山の木々も色づき、藪漕ぎで流れた汗も一休みすればスーッと引い て行く季節となりました。

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 自然林の中を歩いていれば、時々巨樹に出会う事があります。こんな山の中をほっつき歩く人はめったに居な いはずなので 、この木を目にした人は何人居るか。森の中で忽然と現れた巨樹に出会うと、何か神秘的な物を感じ ます。別に神や仏の存在を感ずるという訳ではありません。人知れず暗い森の中で、数百年を生きてきた生命の 存在に、今此処で静寂の中に佇み私一人が見上げている、という状況設定に神秘性を感ずるのです。

 町中の公園に生えている巨樹を見ても特に何も感慨は湧きませんが、屋久島で最初に縄文杉を見つけた人 は、言い知れぬ衝撃を受けたと思います。毎日観光客に取り巻かれて居る今の縄文杉は、いわば頻繁に人前に姿を 現す神や仏みたいな物で、神秘性や有り難みが有りません。