【漢文】
子曰、予欲無言、子貢曰、子如不言、則小子何述焉、子曰、天何言哉、四時行焉、百物生焉、天何言哉
【書き下し文】
子曰わく、予(わ)れ言うこと無からんと欲す。子貢(しこう)が曰わく、子如(も)し言わずんば、則(すなわ)ち小子(しょうし)何をか述べん。子曰わく、天何をか言うや。四時(しじ)行なわれ、百物(ひゃくぶつ)生ず。天何をか言うや。
【現代語訳】
孔子がおっしゃいました、
「私はもう何も言わない事にする。」
すると子貢(しこう)が、
「先生が何もおっしゃらなかったら、これから我々は何について論じれば良いというのですか。」
と言い、孔子は、
「天は何も語らない。しかし四季は巡り、生命は誕生する。天は何も語らない。(言葉以上に我々に語りかける)」
と答えられました。
【English】
Confucius said, "I won't say a word anymore." Zi Gong asked, "If you say nothing, about what can we discuss?" Confucius replied, "Heaven says nothing. But the four seasons rotate and lives are born. Heaven says nothing."
『論語』とは
読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。