日本男道記

ある日本男子の生き様

徒然草 第百一段

2021年05月25日 | 徒然草を読む


【原文】  
或人、任大臣の節会の内辨を勤められけるに、内記の持ちたる宣命を取とらずして、堂上せられにけり。極なき失礼なれでも、立ち帰り取るべきにもあらず、思ひわづらはれけるに、六位の外記康綱、衣被かづきの女房をかたらひて、かの宣命を持もたせて、忍びやかに奉まつらせけり。いみじかりけり。

【現代語訳】
ある人が、大臣の任命式を取り仕切った際に、天皇の直々の任命書を持たないまま壇上に上がってしまった。失礼極まりないと分かりつつも、取りに戻るわけにもいかず放心していると、康綱係長が目立たない女子職員にお願いし、この任命書を持たせて内緒で手渡した。とても気が利く男であった。

◆鎌倉末期の随筆。吉田兼好著。上下2巻,244段からなる。1317年(文保1)から1331年(元弘1)の間に成立したか。その間,幾つかのまとまった段が少しずつ執筆され,それが編集されて現在見るような形態になったと考えられる。それらを通じて一貫した筋はなく,連歌的ともいうべき配列方法がとられている。形式は《枕草子》を模倣しているが,内容は,作者の見聞談,感想,実用知識,有職の心得など多彩であり,仏教の厭世思想を根底にもち,人生論的色彩を濃くしている。

Daily Vocabulary(2021/05/25)

2021年05月25日 | Daily Vocabulary
26901.unparalleled (並ぶものがない、無比の、未曽有(みぞう)の)bigger, better, or worse than anything else 
This is a tragic accident unparalleled in history. 
26902.last resort(命の綱; 伝家の宝刀; 最後の手段)
He committed suicide in the last resort
26903.update(最新情報)An update is a news item containing the latest information about a particular situation.
I have an update.
26904.bright red(明赤色の)a serious, difficult, or dangerous situation
I was so embarrassed my face went bright red
26905.give me a break(いい加減にしてください)spoken used when you want someone to stop doing or saying something that is annoying you.
Give me a break! I can't do all this by myself.