2012年07月06日(金)
ヨウ素剤配布・服用されず 知事が権限不行使
国会事故調査報告書 2012/07/06 10:31 福島民報 報告書では、安定ヨウ素剤の服用について「知事の権限の不行使が、多くの市町村で配布・服用が行われなかった要因の一つ」と問題点を挙げた。 ヨウ素剤の服用指示がなく、住民の初期被ばくの低減措置が取られなかった責任は政府や県にあるとの見解を示した。その上で「特に甲状腺がんのリスクが高いとされる小児が適切にヨウ素剤を服用できる体制を整えなくてはならない」と指摘した。 また、計画的避難区域の設定が原発事故から一カ月以上遅れた点は、県と政府の原子力災害現地対策本部が原子力安全・保安院に対し「県全体に無用の混乱を生じさせる」と慎重な判断を求めたことを理由の一つとした。 さらに、意見の調整や基準の決定に時間がかかったとして「政府原子力災害対策本部の迷走は、住民の安全を第一に考えていなかったと評価せざるを得ない」とした。 「怒り通り越す」 県内避難者「人災、許せない」 国会事故調報告書 2012/07/06 10:25 福島民報 東京電力福島第一原発事故を受けた国会の事故調査委員会が「事故は明らかに人災」とした最終報告書を公表した5日、県内の避難者らからは「当然」との声が上がり、あらためて憤りが広がった。 「怒りを通り越して言葉にできない」。郡山市の仮設住宅で避難生活を送る富岡町の農業渡辺喜助さん(77)はやりきれなさを募らせる。震災前は繰り返し安全性を主張する東京電力を信じて暮らしてきたが、原発事故で自宅や田んぼを奪われ、家族も避難で離れ離れだ。人の怠慢で生活を破壊されたことが悔しくて仕方がない。 浪江町民が避難する二本松市の杉内多目的運動広場仮設住宅。入居する140世帯の約8割が、放射線量が比較的高い津島地区の住民だ。自治会長の柴清明さん(50)は「政府と東電の混乱が私たちを被害者にしたのだと、報告書でよく分かった」と受け止めた。 大熊町から会津若松市の仮設住宅に避難している片倉荘次さん(63)の自宅は福島第一原発から5キロほどの地区だ。自宅に戻るのは難しいと思っている。「万全を尽くしていれば、避難も数年で済んだかもしれない」 いわき市の仮設住宅に暮らす楢葉町の主婦矢内久美子さん(45)も「人災であれば対策を講じることもできたということ。もっと被害を少なく、避難も早くできたはず」と不満を漏らす。さらに、事故原因を徹底的に調査して再発防止につなげることが重要だとし、「一刻も早く原因を究明してほしい」と期待した。 梁川町の会社員女性(41)は小学生の子どもの被ばくを心配する。自家消費用に家族で続けてきた稲作と畑作は原発事故後にやめ、県外産のコメと野菜を買う。今でも子どもに屋外活動を控えさせる。「生活が変わった。自然災害なら諦めもつくが、人災は許せない」と語気を強めた。 報告書で対応の不備が指摘された県にも批判が集まった。福島市の仮設住宅で暮らす飯舘村比曽行政区の女性は小学生の長女の内部被ばくが判明し、憤る。村内でも比較的放射線量が高い地域だが、知らずに原発事故後しばらく、長女は外で雪遊びをしていた。 「原発がある県なのだから、確固とした危機管理をしておくのが当然なのに国に頼ってばかりでできなかった。猛省すべきだ」と断じた。 ☆大飯原発の再稼動を責任を持って決めた野田首相の記者会見再録 【野田総理冒頭発言】
本日は大飯発電所3、4号機の再起動の問題につきまして、国民の皆様に私自身の考えを直接お話をさせていただきたいと思います。 4月から私を含む4大臣で議論を続け、関係自治体の御理解を得るべく取り組んでまいりました。夏場の電力需要のピークが近づき、結論を出さなければならない時期が迫りつつあります。国民生活を守る。それがこの国論を二分している問題に対して、私がよって立つ、唯一絶対の判断の基軸であります。それは国として果たさなければならない最大の責務であると信じています。 その具体的に意味するところは2つあります。国民生活を守ることの第1の意味は、次代を担う子どもたちのためにも、福島のような事故は決して起こさないということであります。福島を襲ったような地震・津波が起こっても、事故を防止できる対策と体制は整っています。これまでに得られた知見を最大限に生かし、もし万が一すべての電源が失われるような事態においても、炉心損傷に至らないことが確認をされています。 これまで1年以上の時間をかけ、IAEAや原子力安全委員会を含め、専門家による40回以上にわたる公開の議論を通じて得られた知見を慎重には慎重を重ねて積み上げ、安全性を確認した結果であります。勿論、安全基準にこれで絶対というものはございません。最新の知見に照らして、常に見直していかなければならないというのが東京電力福島原発事故の大きな教訓の一つでございました。そのため、最新の知見に基づく30項目の対策を新たな規制機関の下での法制化を先取りして、期限を区切って実施するよう、電力会社に求めています。 その上で、原子力安全への国民の信頼回復のためには、新たな体制を一刻も早く発足させ、規制を刷新しなければなりません。速やかに関連法案の成案を得て、実施に移せるよう、国会での議論が進展することを強く期待をしています。 こうした意味では、実質的に安全は確保されているものの、政府の安全判断の基準は暫定的なものであり、新たな体制が発足した時点で安全規制を見直していくこととなります。その間、専門職員を要する福井県にも御協力を仰ぎ、国の一元的な責任の下で、特別な監視体制を構築いたします。これにより、さきの事故で問題となった指揮命令系統を明確化し、万が一の際にも私自身の指揮の下、政府と関西電力双方が現場で的確な判断ができる責任者を配置いたします。 なお、大飯発電所3、4号機以外の再起動については、大飯同様に引き続き丁寧に個別に安全性を判断してまいります。 国民生活を守ることの第2の意味、それは計画停電や電力料金の大幅な高騰といった日常生活への悪影響をできるだけ避けるということであります。豊かで人間らしい暮らしを送るために、安価で安定した電気の存在は欠かせません。これまで、全体の約3割の電力供給を担ってきた原子力発電を今、止めてしまっては、あるいは止めたままであっては、日本の社会は立ち行きません。 数%程度の節電であれば、みんなの努力で何とかできるかもしれません。しかし、関西での15%もの需給ギャップは、昨年の東日本でも体験しなかった水準であり、現実的には極めて厳しいハードルだと思います。 仮に計画停電を余儀なくされ、突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人も出ます。仕事が成り立たなくなってしまう人もいます。働く場がなくなってしまう人もいます。東日本の方々は震災直後の日々を鮮明に覚えておられると思います。計画停電がなされ得るという事態になれば、それが実際に行われるか否かにかかわらず、日常生活や経済活動は大きく混乱をしてしまいます。 そうした事態を回避するために最善を尽くさなければなりません。夏場の短期的な電力需給の問題だけではありません。化石燃料への依存を増やして、電力価格が高騰すれば、ぎりぎりの経営を行っている小売店や中小企業、そして、家庭にも影響が及びます。空洞化を加速して雇用の場が失われてしまいます。そのため、夏場限定の再稼働では、国民の生活は守れません。 更に我が国は石油資源の7割を中東に頼っています。仮に中東からの輸入に支障が生じる事態が起これば、かつての石油ショックのような痛みも覚悟しなければなりません。国の重要課題であるエネルギー安全保障という視点からも、原発は重要な電源であります。 そして、私たちは大都市における豊かで人間らしい暮らしを電力供給地に頼って実現をしてまいりました。関西を支えてきたのが福井県であり、おおい町であります。これら立地自治体はこれまで40年以上にわたり原子力発電と向き合い、電力消費地に電力の供給を続けてこられました。私たちは立地自治体への敬意と感謝の念を新たにしなければなりません。 以上を申し上げた上で、私の考えを総括的に申し上げたいと思います。国民の生活を守るために、大飯発電所3、4号機を再起動すべきというのが私の判断であります。その上で、特に立地自治体の御理解を改めてお願いを申し上げたいと思います。御理解をいただいたところで再起動のプロセスを進めてまいりたいと思います。 福島で避難を余儀なくされている皆さん、福島に生きる子どもたち。そして、不安を感じる母親の皆さん。東電福島原発の事故の記憶が残る中で、多くの皆さんが原発の再起動に複雑な気持ちを持たれていることは、よく、よく理解できます。しかし、私は国政を預かるものとして、人々の日常の暮らしを守るという責務を放棄することはできません。 一方、直面している現実の再起動の問題とは別に、3月11日の原発事故を受け、政権として、中長期のエネルギー政策について、原発への依存度を可能な限り減らす方向で検討を行ってまいりました。この間、再生可能エネルギーの拡大や省エネの普及にも全力を挙げてまいりました。 これは国の行く末を左右する大きな課題であります。社会の安全・安心の確保、エネルギー安全保障、産業や雇用への影響、地球温暖化問題への対応、経済成長の促進といった視点を持って、政府として選択肢を示し、国民の皆様との議論の中で、8月をめどに決めていきたいと考えております。国論を二分している状況で1つの結論を出す。これはまさに私の責任であります。 再起動させないことによって、生活の安心が脅かされることがあってはならないと思います。国民の生活を守るための今回の判断に、何とぞ御理解をいただきますようにお願いを申し上げます。 また、原子力に関する安全性を確保し、それを更に高めていく努力をどこまでも不断に追及していくことは、重ねてお約束を申し上げたいと思います。 私からは以上でございます。 |
☆3.11以降それまで見えなかった日本の仕組みがおぼろげながらも見えてきた。民主党がどうあがいても官僚に料理されてしまうのも、ある意味これまでの歴史の当然の帰結のようだ。
その官僚の世界にもヒエラルキーがある。 官僚の中の官僚は財務省の官僚だ。 そのあたりをわかりやすく解き明かす一文を読んだ。 一部引用・・ 財務省の周到な政治家養成 自民党政権は、自民党と官僚の連立だった。民主党は「脱官僚」を掲げながら何もできず、官僚に取り込まれ官僚との連立を組まされた、と言っていいだろう。党内対立や野党対策で落ち着かず、政策は官僚に丸投げし、国会対策まで財務省に頼り切る結果となった。 権力者の経験がない民主党には野党対策のノウハウはなかった。財務省は自民党時代から政治家と表裏一体になって国会対策を支えてきた。財務大臣に国会対策委員長だった安住淳を抜擢したのも「使える」と勝が判断したから、と言われる。 野田佳彦は藤井裕久民主党最高顧問による「一本釣り」だった。財務省OBの藤井は飲み友達だった野田を財務官僚に引き合わせ、政権交代で藤井が蔵相になると主計担当の副大臣に起用した。 自民党総裁の谷垣禎一も、財務省が手塩にかけて育てた政治家である。財務省は長時間かけてシンパとなる政治家を養成する。有望と見ると担当者を決めて、御用聞きに当たるほど周到な体制ができている。 民主党は野田、自民党が谷垣。今を逃したら消費税増税のチャンスは回ってこない、と財務省は舞い上がった。谷垣自民党とは話がついている。あとは民主党内の反対を押し切るだけ。税調会長の藤井、財務相の安住、さらに岡田克也を副首相にして、野田を含めた4人を神輿に載せて突っ走った。 消費税反対が渦巻く民主党税調で司会役を務めたのは、1年生議員の岸本周平。財務省OBの脱藩官僚がいまや切り込み隊長だ。 パブリックサーバントであるはずの官僚が、政治家を操って増税を推進した、という姿は誰の目にも明らかになっている。 全文はこちら |
消費増税法案、原発再稼働さえ白紙の可能性も
小沢新党が狙う「内閣不信任案提出」 一部引用・・ というのも内閣不信任案はあらゆる法案に優先して採決される「最強法案」だからだ。 つまり、消費税法案含め、先日の8法案には賛成できた野党の自民党と公明党も、内閣不信任案となると話は別になる。 そもそも議院内閣制において、野党が内閣不信任案に反対するのは難しい。野党が内閣不信任案に反対すれば、政党の存在意義が問われるばかりか、野党でいる意味も為さなくなってしまうからだ。 それを避ける方法は唯一、内閣不信任案の出される前に連立協議を行い、民主・自民・公明の三党で連立を組むしかないだろう。 だが、そのためのハードルはより高い。野田政権は自・公の野党に対して圧倒的な譲歩を行わなければならないし、場合によっては阻止後の解散総選挙くらいは約束されるかもしれない。 そこまででなくとも、不信任案決議を否決するにあたって、大臣ポスト、あるいは政権移譲は要求されるかもしれない。 つまり、内閣不信任案が出された途端、窮地に陥るのは小沢氏の側ではなく、野田首相の方という見方ができるのだ。 全文はこちら |
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