阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

「大竹しのぶ 50歳からの私(わたし)」

2022年11月27日 | 「過去の非日乗&Shot日乗」リターンズ
2010年05月07日(金)「阿智胡地亭の非日乗」掲載
 

4日夜のNHKで22時からドキュメンタリー「大竹しのぶ 50歳からの私(わたし)」を見ました。

五木寛之原作の映画「青春の門」にオーディションに合格して出演したのが17歳の時だったそうです。そして画面の大竹さんは52歳。

「舞台で心を開いていない俳優の演技なんか見たくないでしょ」

「考えてその歩き方をするのではなくて、そう歩いているようになるんです。そこまでいくのが役者の仕事だと思います」

「心ってキリがない。だからお芝居は面白い」

演出家の宮本亜門は、「もっといいものが出来るはず、といつも貪欲な人です」と言った。

彼女の舞台の演出家は、蜷川、宮本、野田など当代一流と言われる人が多いが、今回の画面でも野田秀樹と徹底的に話し合っていた。

この女優さんは井上ひさしや新藤兼人などにも可愛がられていて

おやじ殺しの顔も持っているようだが、今回見ていて、彼女のキャンバスは映画でも舞台でも一つの仕事が終わると、その都度、完全にクリアーされて、

依頼者から次は自分の仕事をやってくれる役者として信頼されていると思った。
 
 そしてなによりも彼女は勁さと可愛いさが同居している人だ、と思う。それが監督や演出家にはわかる。

インタビュアーがこう質問した。

「大竹さんはどんな男性が好きなんですか?」

「金平糖のような人が好き」

「コンペイトウって?」

「コンペイトウには鋭いトゲがあるでしょう。そういうトゲを持っている人が好き」「でもね、私と一緒にいるとみんなトゲがなくなってまあるくなって、ちっとも面白くなくなるの」

「野田さんもそうだったし、さんまさんも私といるときのお仕事面白くなかった。それはもうどうしようもないことだから・・」

大竹さんの舞台は「太鼓たたいて笛ふいて」(栗山民也演出)と「母・肝っ玉とその子供たち」(栗山民也演出)を見たが、憑依したように役になりきっていながら、

どこかいつも観客の反応を伺っている感じを受けるのが面白かった。

 大阪のリサイタルホールの「ひとり舞台」では、思いがけない衣装とおもいがけない歌で楽しませたあと、客席を縦横無尽に走りながら

観客と握手していったが、その柔らかい手で握手してもらった一人になれたのは幸せだった。

それはそれとして、同時代にこんな役者さんがいてくれるのはありがたいことです。


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