(画像右手の山肌中腹をカラコルムハイウェイが走っています)
四日間(実質三日間)のフンザ(カリマバード)滞在を終えて、今日30日は早朝6時にホテルを出発、カラコルムハイウェイを南下、10時間半のドライブで先ほどベシャームのホテルに到着しました。
今夜はここベシャームに宿泊して、明日はイスラマバードを目指します。
カラコルムハイウェイの車内でダンスを強いられる悪路は行きでも経験済みではありますが、やはり疲れます。(私は乗っているだけですが)
もっとも、悪路部分の区間は限られており、今日のルートではチラスからダッソーの区間が、ダム工事(当然、中国企業による工事)の関係でハードな状態でした。
未舗装による車内ダンスはともかく、ダム工事用の道路建設を崖の上でやっているのでしょうか、その工事の発破作業などで下のカラコルムハイウェイに落石があるため、通行を止めて作業を行い、待機していたショベルカーが道路のクリーニングをする、それが終わるまで車両は待っている・・・・という箇所が、途中2か所ありました。
(2回目の通行止め)
幸い2カ所ともストップ時間は10分程度ですみましたので、カラコルムハイウェイならではの場面を経験できた・・・・と言うべきでしょうか。
上記区間以外は通常舗装道路ですから(一部大きな穴があいていたり、切り立った崖から水が滝のように道路に流れおちていたり・・・というのは、ごく当たり前のことではありますが)、ドライブはスムーズです。
ただ、切り立った崖と深い谷底に挟まれた曲がりくねった道で、亀のような大型トラック(パキスタン独特のデコレーショントラック)を(対向車をものともせず)追い越しながらのドライブです。
標識の速度制限は20kmとなっていますが、実際は80~90kmで飛ばすことも。
まあ、20km制限というのもどうかと思いますが、そんな狭い曲がりくねった道を80~90kmで飛ばす方も・・・・。
もっとも、そのおかげで、明るいうちにチェックインできました。ドライバーさんに感謝。
標識について言えば、延々と切り立った崖が続くカラコルムハイウェイですから、落石注意の標識があそこそこにあります。(早朝の道路には20~30㎝ほどの大きさの石が転がっていたりもしました)
(この一帯はヒマラヤ造山運動の最前線でもあります。崖から温泉が湧きだしているところも)
日本でも同様ですが、落石注意と言われてもどうしようもありません。無駄な標識です。崖の状態など注意していたら、数百m下のインダス川にダイブしてしまいます。
周知のように、イスラム教にはいろんな宗派があり、スンニ派とシーア派の対立がサウジ・イランの対立などの世界の不安定要素になっています。
パキスタン内部でも、地方に行くほど、宗派のすみ分けがはっきりしているようで、ベシャームからチラスにかけての一帯はスンニ派のエリア。
フンザ方面出身のガイド氏はシーア派と比較的近いイスマーイール派、ドラバー氏はシーア派。
スンニ派はタリバンやISといったイスラム過激派を生んでいる宗派で、男性は長いあごひげをたくわえています。
このスンニ派エリアをドライブしていると女性の姿をほとんど見ません。女性が表に出ることは非常に限られているようです。
一方、女性教育にも積極的なイスマーイール派(指導者のアーガー・ハーン4世はフランス人と結婚しているそうです)は、先日紹介した結婚式の様子でもわかるように、ごく普通に表世界で女性が生活しており、畑では女性が農作業をしています。
だいたい、結婚式に外国人がやってきて、写真を撮りまくっていることが全くとがめられないというのは、スンニ派では考えられないことで、スンニ派エリアでは家庭を外国人が訪問するなどは非常に難しいようです。
(男女が共に参加するフンザでの結婚式)
そんなこんなで、イスマーイール派のガイド氏は、スンニ派の偏狭とも言える姿勢にはあまり好感を持っていないようです。
ハセガワスクールのような外国人出資による教育施設が根付くのも、イスマーイール派ならではのことでしょう。
(歴史的には、イスマーイール派は「暗殺教団」を生んだような怖い側面もありますが)
なお、イスマーイール派ではお祈りはモスクではなく集会所で行い、回数も1日5回ではなく1日3回。
例の礼拝を呼び掛けるアザーン(旅情をかきたてることもありますが、早朝は部外者には迷惑にも感じます)もありません。そのため、フンザはイスラムにありながら静かな土地でした。
毎日の停電は、ここベシャームでも、チラスでも、フンザでも同様で(だからこそ、中国出資の大型ダム建設が急がれています)、ついさきほどから停電、WiFiもストップ。
いつになったらアップできるでしょうか?