(パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ハワラで2月26日、街に火を放つユダヤ人入植者【3月9日 東京】
1938年、ナチス政権下のドイツでユダヤ人が襲われた「水晶の夜」になぞらえる声も。ナチス・突撃隊が主導するユダヤ人襲撃で破壊されたガラスが月明かりに照らされて水晶のように光っていたことから「水晶の夜」と呼ばれています)
【イスラエル軍の大規模軍事行動、“とりあえず”終了 深まるばかりの暴力の連鎖・報復の応酬】
イスラエルは3日からパレスチナ自治区ジェニンに対する大規模軍事行動を行ってきました。
ジェニンはパレスチナ自治区の難民キャンプの中でも歴史がく、約1万8千人が密集して居住する地域です。
難民キャンプとは言っても、日本で想像するようなものではなく、2,3階建ての建物が並ぶ街を形成しています。
また、パレスチナ自治政府の統治が及びにくい地域で、武装組織イスラム聖戦やハマスの活動の拠点ともなっており、イスラエル軍はこれまでも「対テロ作戦」を実施してきました。
****武装組織の温床、「歯止め」狙う=ヨルダン川西岸で大規模作戦―イスラエル****
ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニンでのイスラエル軍の大規模軍事作戦は4日、2日目に入った。パレスチナ保健省によると、これまでにパレスチナ人10人が死亡、約100人が負傷した。
イスラエルのネタニヤフ首相は、ジェニンの難民キャンプがパレスチナの武装組織の温床となっている状況に「歯止めをかける」と主張。「必要な限り作戦は続く」と強硬姿勢を示している。
イスラエルのメディアによると、軍は難民キャンプをドローンで空爆。1000人以上の地上部隊を展開し、武装組織と交戦した。西岸では2000年代の第2次インティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)以降、最大規模の作戦という。【7月4日 時事】
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今回のイスラエルの軍事行動は、過激派組織の重要拠点を破壊し、多くの武器や資金を押収したことで“ひとまず”終了したようです。
****イスラエル軍、ヨルダン川西岸ジェニンから撤退開始 死者12人****
ヨルダン川西岸地区のパレスチナ自治区ジェニンにおいて過去20年間で最大規模の軍事作戦を実施したイスラエル軍は4日、ジェニンから撤退を開始したもようだ。国防筋とロイター関係者が語った。(中略)
一方、ジェニンの病院やその近くで銃撃戦があったとの報告もあるが、詳細は確認できていない。
パレスチナ当局によれば、攻撃で少なくとも12人が死亡した。
イスラエルのネタニヤフ首相は「われわれは任務を完了しつつある。ジェニンでの作戦は一度限りではない」と述べた。【7月5日 ロイター】
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なお、AP通信によると、“少なくともパレスチナ人13人、イスラエル兵1人が死亡。パレスチナ保健当局は、負傷者は100人以上で、多数の重傷者がいる”とのこと。
ただ、拠点を破壊、武器を押収と言っても、一時的な成果にすぎず、しばらくすればまた似たような状況にもなるのでしょう。
今回のイスラエル軍への報復と思われる、ガザ地区からイスラエルへの攻撃、更にそれへの報復としてのイスラエル軍の空爆も。
****イスラエル軍がガザ地区を空爆 ロケット弾の報復****
パレスチナ自治区のガザ地区からロケット弾が発射されたことに対する報復として、イスラエル軍がガザ地区を空爆しました。
イスラエル軍によりますと、5日未明、ガザ地区からロケット弾5発が発射されたことへの報復として、ガザ地区の関連施設2カ所を空爆しました。地下にある武装組織の兵器工場を攻撃したとしています。【7月5日 テレ朝news】
イスラエル軍によりますと、5日未明、ガザ地区からロケット弾5発が発射されたことへの報復として、ガザ地区の関連施設2カ所を空爆しました。地下にある武装組織の兵器工場を攻撃したとしています。【7月5日 テレ朝news】
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また、個人レベルでの”報復”も。
****イスラエルで歩行者に車突っ込む、運転のパレスチナ人は射殺****
イスラエル中部テルアビブで4日、パレスチナ人の男がピックアップトラックで歩行者に突っ込んだ後、周囲にいた人を刃物で刺す事件が起き、8人が負傷した。イスラム原理主義組織ハマスはこの男はメンバーだったと表明した。
警察によると、運転していたのは20歳のパレスチナ人の男で、武装した市民に射殺された。イスラエル総保安庁(シンベト)は、この男無許可でイスラエルに入国したが、治安犯罪の経歴はないとしている。
救急隊によると負傷者のうち1人が重傷で、数人が刃物による傷を負った。
ハマスはこの男はメンバーだったとした上で、イスラエル軍がヨルダン川西岸のジェニンで3日に行った急襲作戦に報復するため、イスラエルの商業都市で襲撃したと表明。声明で「この英雄的な行動は、ジェニンで続いているシオニストによる虐殺と破壊の犯罪に対する自衛行為だ」とした。
イスラエルのイタマル・ベン・グヴィル警察相は現場を訪れ「ジェニンで作戦を開始した時点で、テロリズムの台頭は想定されていた」とし、路上攻撃を阻止するために市民に武器を携帯するよう改めて呼びかけた。【7月5日 ロイター】
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【極右勢力も参加する超保守政権を追い風に過激化するユダヤ人入植者の暴力】
イスラエル・パレスチナの状況は、6月22日ブログ“パレスチナ 中国の和平仲介 しかし、悪化する「暴力の応酬」 イスラエルは入植地拡大政策を止めず”でも取り上げたばかりですが、“相変わらずの暴力の連鎖、報復の応酬”としか言い様のないところです。
そうしたなかで、極右勢力も参加したイスラエル超保守政権を追い風として、ヨルダン川西岸におけるユダヤ人入植者の暴力が過激化しているようです。また、入植者の暴力行為にイスラエル軍兵士が同行しているとも。
****「ここはおまえらの国ではない」、入植者は叫んだ イスラエル・パレスチナの報復の連鎖、今年に入り150人以上が死亡****
長年続くイスラエルとパレスチナの対立が今年に入り激しさを増している。昨年末、新たに発足したイスラエルのネタニヤフ連立政権に、対パレスチナ強硬派の極右政党が加わった影響が大きく、沈静化の兆しは見えない。イスラエル軍の武装パレスチナ人に対する急襲作戦、パレスチナ人によるイスラエル人襲撃…。
2月には数百人のユダヤ人入植者がパレスチナ人集落を襲撃、住宅や自動車に無差別に放火し焼き打ち事件の様相に。5月にはイスラエル軍とパレスチナ自治区ガザの過激派「イスラム聖戦」が空爆とロケット弾攻撃の応酬を5日間繰り広げ、ガザでは33人が死亡した。国連によると、1月以降の死者はパレスチナ側で130人以上、イスラエル側は約20人に上る。
報復の連鎖はどこまで続くのか。国際社会は双方に緊張緩和を促すが、事態は悪化の一途をたどっている。イスラエルによるパレスチナ軍事占領のあり方も問われている。
▽まるでポグロム
2月26日夜、イスラエル軍が占領するヨルダン川西岸の北部ハワラ。自宅2階から入植者による襲撃を目撃したパレスチナ人、ユスフさん(40)が振り返る。
2月26日夜、イスラエル軍が占領するヨルダン川西岸の北部ハワラ。自宅2階から入植者による襲撃を目撃したパレスチナ人、ユスフさん(40)が振り返る。
「入植者が火炎瓶のようなものを自動車に投げ込むと、燃え始めた。路上では催涙弾が大量に投げられ、街は霧がかかったように曇った。やつらが玄関の扉をたたいたので、洗濯機をバリケードのように置いて侵入を防いだ」。襲撃は5時間以上続き、入植者は「ここはおまえらの国ではない。出ていけ」と叫んでいたという。
この日の日中、ハワラで入植者2人がパレスチナ人に銃撃され死亡、その報復だった。複数のパレスチナ人目撃者によると、午後5時ごろ、多数のイスラエル軍兵士が路上を歩き始め、店舗に営業休止を要請。約1時間後にバスなどで入植者400人以上が到着した。兵士も行動を共にしていた。
数十軒の住宅や店舗、数十台の自動車が放火されたほか、投石や鉄パイプなどによる破壊もあった。中には実弾で銃撃する入植者もおり、パレスチナ人1人が死亡、約100人が負傷した。
投石で右腕をけがしたアンマールさん(37)は「助けに来てくれた隣人も入植者に襲われた上、兵士にも殴られた」と証言する。自宅2階から見ていた少女ラマールさん(10)は「燃える自動車の周りで、あの人たちは躍り上がっていた」と語った。家畜の羊まで傷つけられたという。
入植者が多数だった上、兵士の同行もあり、「逃げることさえできなかった」と多くの住民が口にする。イスラエル軍は共同通信の取材に「(警備の)準備に不十分な点があった」と回答したが、治安維持の責任を負う兵士が入植者と行動を共にしており、準備不足という説明には疑問も残る。
ユスフさんらはスマートフォンで襲撃の様子を撮影した。暗闇の中で自動車や住宅が燃え上がる映像はインターネット上に出回り、激しい反発の声が上がった。歴史的なユダヤ人迫害になぞらえる批判も相次いだ。
「ハワラで『水晶の夜』(ナチス政権下のドイツでユダヤ人が襲われた事件)が起きた」
「(ロシアで起きたユダヤ人迫害の)ポグロムのようだ」
▽有罪判決わずか3%
欧州連合(EU)や欧州約20カ国の外交官らは3月3日、ハワラを視察し、イスラエル政府や入植者を非難した。視察中、入植者がパレスチナ人の住宅敷地内に侵入。追い出そうとする住民と小競り合いになり、介入した兵士が外交官らの前でパレスチナ人に催涙弾を投げる場面もあった。
欧州連合(EU)や欧州約20カ国の外交官らは3月3日、ハワラを視察し、イスラエル政府や入植者を非難した。視察中、入植者がパレスチナ人の住宅敷地内に侵入。追い出そうとする住民と小競り合いになり、介入した兵士が外交官らの前でパレスチナ人に催涙弾を投げる場面もあった。
EUの駐パレスチナ代表スベン・フォンブルクスドルフ氏は「襲撃犯はきちんと裁かれるべきで、財産を失った人は補償されなければならない。占領当局(イスラエル)にはパレスチナ人を保護する義務がある」と怒りをあらわにした。
憤りの背景には、入植者によるパレスチナ人への暴力がほとんど処罰されない現実がある。2月26日の襲撃は過去に例を見ない大規模なものだったが、入植者の暴力はオリーブの木や家畜小屋の破壊などを含めれば、日常茶飯事だ。
だが、イスラエルの人権団体「イェシュディン」の調査によれば、2005〜22年に入植者らによるパレスチナ人への暴力に関しイスラエル当局が捜査した1531件のうち、起訴に至ったのは107件で、有罪判決はわずか3%の46件だった。
外交官らのハワラ視察を企画したイスラエルの人権団体「ベツェレム」のハガイ・エルアド代表はこう語る。
「ハワラ襲撃は兵士に保護されており、入植者の暴力ではなく、国家による暴力だ。私も入植者もユダヤ人として、ポグロムがどんなものか知っている。かつての被害者が今は加害者になっている。これは何十年も続く抑圧的な占領政策の結果だ。人種差別的なアパルトヘイト政策は終わらせなくてはならない」
「ハワラ襲撃は兵士に保護されており、入植者の暴力ではなく、国家による暴力だ。私も入植者もユダヤ人として、ポグロムがどんなものか知っている。かつての被害者が今は加害者になっている。これは何十年も続く抑圧的な占領政策の結果だ。人種差別的なアパルトヘイト政策は終わらせなくてはならない」
▽「ハワラ消滅が必要」
現在、暴力の連鎖が続く主な舞台はヨルダン川西岸だ。1950年以降、ヨルダン統治下にあったが、1967年の第3次中東戦争でイスラエルが軍事占領し、現在も軍が統治する。イスラエルはここでユダヤ人入植地を拡大、現在約130の入植地が存在し、40万人以上のユダヤ人が暮らす。
現在、暴力の連鎖が続く主な舞台はヨルダン川西岸だ。1950年以降、ヨルダン統治下にあったが、1967年の第3次中東戦争でイスラエルが軍事占領し、現在も軍が統治する。イスラエルはここでユダヤ人入植地を拡大、現在約130の入植地が存在し、40万人以上のユダヤ人が暮らす。
入植地とは簡単に言えば新興住宅街で、入植地建設とは新しい街の建設だ。元々西岸に暮らすパレスチナ人からすれば、住宅や農地など生活基盤を根こそぎ奪われることを意味し、当然摩擦が生じる。
ジュネーブ条約など国際法は占領地における土地や財産の没収、住民の強制移動、自国民を移住させる入植活動を禁じ、国連も重ねて「入植活動は国際法違反だ」と指摘する。
国連安全保障理事会は2016年に入植活動の停止を要求する決議を採択、2021年にはパレスチナの人権を担当するマイケル・リンク特別報告者が「戦争犯罪」とまで言い切った。そもそも安保理はイスラエルによる占領地からの撤退を決議している。
しかし、イスラエル政府は決議を無視し、入植地拡大で占領を既成事実化してきた。当初はイスラエル建国運動に連なる農業開拓精神などに基づく入植者が主流だったが、近年影響力を持つのは宗教的動機の入植者だ。西岸を古代にユダヤ人が暮らした土地と見なし、神から将来にわたり与えられた「約束の地」と信じる彼らにとって、入植活動はユダヤ民族の贖罪であり、救世主到来を早める行為と映る。
そんな「民族宗教派」の入植者に支持され、昨年末発足のネタニヤフ政権に入閣したのが極右政党「ユダヤの力」党首のイタマル・ベングビール国家治安相や、極右政党「宗教シオニズム」党首のベツァレル・スモトリッチ財務相だ。パレスチナ自治政府の解体や入植地拡大、イスラエルへの西岸の一部併合を目指す。入植地拡大が彼らの存在意義ともなっている。
ネタニヤフ政権はこの2人に強く影響され、昨年末に発表した指針で「ユダヤ人は(西岸を含む)イスラエルの全ての土地で独占的で議論の余地のない権利を持つ。政府は入植活動を促進する」と宣言した。スモトリッチ氏は「ハワラの消滅が必要だ」と発言、襲撃した入植者を擁護する姿勢を示している。
▽消せない自由への希求
イスラエル軍による武装パレスチナ人への急襲作戦は「拘束」が目的とされるが、「対テロ作戦」と称し、パレスチナ側が抵抗すれば周囲の民間人が犠牲になることもためらわず攻撃する。
イスラエル軍による武装パレスチナ人への急襲作戦は「拘束」が目的とされるが、「対テロ作戦」と称し、パレスチナ側が抵抗すれば周囲の民間人が犠牲になることもためらわず攻撃する。
一方、パレスチナ側は一般市民を標的にするケースが多く、1月27日には東エルサレムのシナゴーグ(ユダヤ教会堂)で銃撃し、7人を殺害した。
パレスチナ人による占領への抗議デモでも衝突が相次ぐ。西岸南部ヘブロンでは2月24日、イスラエル軍がデモ隊に催涙弾などを発射し衝突に発展、多数のパレスチナ人が負傷した。1994年に極右入植者の医師がヘブロンのモスク(イスラム教礼拝所)で礼拝中のパレスチナ人に銃を乱射し29人を殺害した事件から29年となるのに合わせたデモだった。丸腰で投石するパレスチナ人に重武装の兵士が「もっと近づいてこい」と笑いながらあおり、催涙弾を撃ち込む場面もあった。
ベングビール国家治安相はこの医師の熱烈な崇拝者として知られ、自宅の壁に写真を飾っていたと報じられている。
報復の連鎖に収束の兆しが見えない中、パレスチナ人ジャーナリスト、ダウード・クターブ氏はイスラエル紙ハーレツで、こう指摘した。
「人々は外国軍の占領下で生活するのを嫌う。歴史的なトラウマ体験を持つイスラエル人がなぜこれを理解しないのか、推し量るのは難しい。急襲作戦で何人かの武装勢力を殺害しても、パレスチナ人の自由への希求を消し去ることはできない。むしろ憎しみと報復への動機を与えるだけだろう。互いに民族自決を認め合ったときに初めて、一連の暴力は終わる」【6月27日 47NEWS】
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****ユダヤ人入植者による襲撃激化=イスラエル当局も非難―ヨルダン川西岸****
イスラエルが占領するヨルダン川西岸で、ユダヤ人入植者によるパレスチナ人襲撃が激化している。イスラエルのガラント国防相はパレスチナ自治政府高官と異例の電話会談を行い、事態収拾を模索。
ただ、イスラエルは西岸のユダヤ人入植住宅増設を承認しており、対立をあおる措置に国際社会から懸念の声が上がっている。
西岸のパレスチナ自治区ジェニンで6月19日、イスラエル治安部隊がテロ容疑者の拘束を目的に急襲作戦を行い、パレスチナ人7人が死亡した。翌20日にはパレスチナ人の男2人が急襲作戦への報復として西岸の入植地近くで銃を乱射。これ以降、ユダヤ人入植者とパレスチナ人の間で衝突が続いた。【7月2日 時事】
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国際的批判もあって、イスラエル軍・警察は“入植者の行動は「民族主義的テロリズム」に当たる”として取り締まることを明らかにしていますが、極右閣僚はこれにも反発しています。
****イスラエル閣僚、「集団懲罰」と警察批判 入植者の暴力取り締まりで****
イスラエルの国家安全保障相であり、極右政治家のイタマール・ベングビール氏は25日、警察当局によるユダヤ人入植者の扱いは「集団的懲罰」に当たるなどとして強く批判した。
ヨルダン川西岸地区ではこのところ、パレスチナ人とユダヤ人入植者の対立が激化の一途をたどっており、対応を巡りイスラエル治安当局と政府の間に亀裂が広がっている。
イスラム組織ハマスがイスラエル人4人を殺害したことへの報復として、ユダヤ人入植者がパレスチナの町や村で暴力を行う事件が相次いで発生。国際社会から非難の声が上がり、米政府は懸念を示した。
イスラエルの軍と警察は24日に声明を発表し、入植者の行動は「民族主義的テロリズム」に当たるとし、これと闘うと約束した。
治安当局が入植者の行為を「テロ」を表現したことに、ネタニヤフ首相率いる連立政権の極右メンバーは反発。その1人であるベングビール国家安全保障相は、アテレトのユダヤ人入植地への門を封鎖し、近くに立っていた人をテーザー銃で撃った理由を説明するよう警察に要求した上で、入植者に対する「集団的懲罰」は受け入れられないと述べた。
アテレト入植地は、自動車への放火事件が24日に起きたパレスチナのウムサファ村に近い。事件は入植者によるものとみられている。【6月26日 ロイター】
ヨルダン川西岸地区ではこのところ、パレスチナ人とユダヤ人入植者の対立が激化の一途をたどっており、対応を巡りイスラエル治安当局と政府の間に亀裂が広がっている。
イスラム組織ハマスがイスラエル人4人を殺害したことへの報復として、ユダヤ人入植者がパレスチナの町や村で暴力を行う事件が相次いで発生。国際社会から非難の声が上がり、米政府は懸念を示した。
イスラエルの軍と警察は24日に声明を発表し、入植者の行動は「民族主義的テロリズム」に当たるとし、これと闘うと約束した。
治安当局が入植者の行為を「テロ」を表現したことに、ネタニヤフ首相率いる連立政権の極右メンバーは反発。その1人であるベングビール国家安全保障相は、アテレトのユダヤ人入植地への門を封鎖し、近くに立っていた人をテーザー銃で撃った理由を説明するよう警察に要求した上で、入植者に対する「集団的懲罰」は受け入れられないと述べた。
アテレト入植地は、自動車への放火事件が24日に起きたパレスチナのウムサファ村に近い。事件は入植者によるものとみられている。【6月26日 ロイター】
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“国家安全保障大臣のイタマール・ベン=グヴィールは、かつて非合法化されたカハネ主義の支持を明言しており、着任直後の1月3日にはイスラーム教徒の聖地であるハラム・アッシャリーフを訪問してハマースを挑発する声明を出した。
財務大臣と国防省内大臣を兼任するベツァルエル・スモトリッチは、1月8日にパレスチナ自治政府への付加価値税の送金を停止し、2月に起きたフワラ襲撃では「村を消し去れ」と入植者らをあおり呼びかけた。”【6月27日 錦田愛子氏(慶應義塾大学教授) Newsweek】
【アメリカは“深い憂慮” でも、それだけでは止まらない現状】
こうした極右閣僚の影響もあって、イスラエル政府はユダヤ人入植地を拡大する姿勢を見せており、アメリカは「深い憂慮」を示しています。ただ、「憂慮」だけでは今のネタニヤフ政権を止めることはできません。
****米、イスラエルの入植住宅承認に「深い憂慮」****
米国務省のミラー報道官は26日、イスラエル政府が占領下のヨルダン川西岸地区で新たにユダヤ人入植者用の住宅5700軒の建設を承認したことに「深い憂慮」を表明した。
同氏は、米政府当局者がこれまで西岸地区のユダヤ人入植拡大に公式にも非公式にも反対してきたと強調し、イスラエル、パレスチナの2国家共存への「障害」になると訴えた。
イスラエルのネタニヤフ政権は昨年末の発足以降、入植者用の住宅7000軒以上を新たに承認している。
入植地をモニタリングするイスラエルの人権団体「ピースナウ」は「イスラエル政府は西岸地区の完全併合に向けた動きを前例のないスピードで進めている」と指摘した。【6月27日 ロイター】
同氏は、米政府当局者がこれまで西岸地区のユダヤ人入植拡大に公式にも非公式にも反対してきたと強調し、イスラエル、パレスチナの2国家共存への「障害」になると訴えた。
イスラエルのネタニヤフ政権は昨年末の発足以降、入植者用の住宅7000軒以上を新たに承認している。
入植地をモニタリングするイスラエルの人権団体「ピースナウ」は「イスラエル政府は西岸地区の完全併合に向けた動きを前例のないスピードで進めている」と指摘した。【6月27日 ロイター】
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