(ジョージア首都トビリシ 街中には「ロシア人お断り」の文字が【7月30日 テレ朝news】)
【15年前ロシアと戦ったグルジアに大量流入するロシア人】
ジョージア(旧グルジア)は、旧ソ連の国々の一つで、北はロシア、南はアルメニアとトルコと接し、西は黒海に面する南コーカサス(カフカス)にある共和制国家です。
ジョージアが世界の注目を集めたのは、2008年のロシアとのグルジア戦争。
ウクライナ東部同様に、ジョージア領内にはジョージアからの分離独立・ロシアとの併合を主張する南オセチア、アブハジアという二つの地域が存在しています。
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2008年8月7日の午後、グルジア軍は南オセチア地区の首都ツヒンヴァリに陸軍、空軍を投入して大規模な軍事攻撃を行った。ロシアはグルジア軍の動きを受けて南オセチアに軍を差し向け、グルジア領内への爆撃を開始した。【ウィキペディア】
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「待ってました」と言わんばかりのロシア軍の侵攻で、“五日間戦争”との別称があるようにロシア軍の圧勝に終わりました。(ウクライナに侵攻したプーチン大統領の頭には、このグルジア戦争圧勝のイメージがあったのではないでしょうか)
あのグルジア戦争から15年ほどが経過し、今はグルジアに徴兵などを嫌うロシア人が大勢押し寄せているという状況。
陸続きで、ノービザで入れるということで、文字通り“列をなす”状態でした。
****ジョージア国境、渋滞20キロ 徴兵逃れ、自転車買って越境も****
ロシアのプーチン大統領が部分動員令を出した後、陸路で出国を試みる国民の車がジョージア(グルジア)国境に殺到している。報道によると、26日時点で20キロ以上の渋滞が発生。かつての交戦相手国に逃げ込む形になる上、ウクライナ侵攻を支持する「Z」マーク付きの車もあったという。
車が立ち往生する中、自転車などでの越境も許可された。独立系放送局「ドシチ」の取材では、ロシア側住民が出国希望者に自転車を5万ルーブル(約12万4000円)で販売。使用後にジョージア側住民が5000ルーブル(約1万2400円)で買い取り、再びロシア側に運び込む「ビジネス」が見られたという。
インターネットには、混乱収拾のため連邦保安局(FSB)の装甲車や国家親衛隊(旧内務省軍)のトラックが続々と現場に到着する物々しい映像が投稿された。警察は国境検問所に臨時の「徴兵事務所」を設置する方針を明らかにしており、動員の対象者らに招集令状を交付し、徴兵逃れの波を食い止めたい考えとみられる。(後略)【2022年9月28日 時事】
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上記記事の昨年9月時点では、“1日に1万人のロシア人が入国している”【2022年9月30日 TBS NEWS DIG】とも。
ジョージアに流入したロシア人の数は、計算の仕方・時期で様々な数字があります。
“ジョージア政府が発表した統計によれば、2022年に11万人以上のロシア人がジョージアへ避難した。こうした動きはジョージアに好景気をもたらす一方、反ロシア感情の強い同国内での反発も招いている。”【2022年12月5日 Newsweek】
“日本経済新聞がロシア連邦観光局のデータをもとに分析すると、侵攻後に約60万人以上が隣国ジョージアへと向かったことが分かった。”【7月19日 日経】
“ウクライナ侵攻後、人口わずか370万人のジョージアに、140万人以上のロシア人がやってきた(去年3月〜12月/一時滞在を含む)。”【7月30日 テレ朝news】
いずれにしても、戦争の記憶で対ロシア感情がよくないジョージアに大量のロシア人が流入したことで、大きな軋轢が生じました。
****ジョージア国境にロシア人殺到 ジョージア人「国土の20%をロシアに不当に占領されているのに…」****
(中略)一方、受け入れるジョージア側にとっては複雑な思いを抱く人が多くいました。実際に話を聞いた複数のジョージア人は「自分たちはロシアに国土の20%を不当に占領されている状況なのに、なぜロシア人を受け入れる必要があるのか」と否定的に話していました。
ロシア人の流入が急増したジョージアでは、首都トビリシをはじめ、不動産の価格が急激に上がったことで賃貸契約の更新を断られる人が増えていて、こうした実際の生活での影響もあってか、国境の閉鎖まで求める声が一部では上がっています。【2022年9月30日 TBS NEWS DIG】
ロシア人の流入が急増したジョージアでは、首都トビリシをはじめ、不動産の価格が急激に上がったことで賃貸契約の更新を断られる人が増えていて、こうした実際の生活での影響もあってか、国境の閉鎖まで求める声が一部では上がっています。【2022年9月30日 TBS NEWS DIG】
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一方で、マクロ経済的には、ロシア人大量流入によって好景気になったようです。
****徴兵逃れのロ技術者がジョージア流入、経済2桁成長へ****
戦火の影響で欧州経済が苦境に陥る一方で、ロシアの南西に国境を接する小国が、予想外の好景気に沸いている。ジョージアだ。
ジョージアは今年、世界で最も成長率の高い国の1つになろうとしている。ロシアによるウクライナ侵攻、さらには戦力補充のためプーチン大統領が発した部分動員令から逃れるため、10万人以上のロシア人が一気に流入したためだ。
世界の大半の国が危うい足取りでリセッションに向かう中で、複数の国際機関は、黒海に面した人口370万人のジョージアが、消費主導の好景気のもと、2022年に10%という非常に大きな経済成長を記録すると予想している。(後略)【2022年11月12日 ロイター】
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【民主主義が後退するジョージア現政権にちらつくロシアの影】
強権支配的な傾向を強めるジョージアの現政権とロシアとの関係は微妙。グルジア戦争のイメージがあるので、反ロシア・親欧米路線かと思っていましたが、必ずしもそうでもないようです。
****デモ隊に放水銃の攻撃、ジョージア「ロシアそっくり法案」はなぜ今だったのか****
<NGO弾圧法案が議会に提出され、市民が大規模デモで抗議。法案は取り下げられたが、国民の大多数がEU・NATO加盟を求めるこの国で、民主主義の空洞化が進んでいる>
焦点になっていたのは、活動資金の20%以上を外国から得ている団体を「外国の代理人」として登録することを義務付ける法案だ。
10年前にロシアでそっくりの法律が導入され、NGOや独立系メディアの弾圧に使われた。それが7日、ジョージア議会でも審議が進んだ(編集部注:その後9日に取り下げられた)。
かつてソ連の一部だったジョージアは、ロシアと国境を接しながらも、一時は強力な親欧米路線を取っていた。ところが近年の政治には、ロシアの影がちらつく。
それでも国民の大多数はEU・NATO加盟を希望している。最近の世論調査では、EU加盟支持が75%、NATO加盟支持が69%に達した。それだけに一般市民の間では、ロシアに対する警戒感が強い。
2012年にロシアで外国代理人法が施行されたときは、多くの市民団体が活動休止に追い込まれた。(中略)ジョージアでも同じことが起こるのではという危機感が、トビリシでの大規模デモにつながった。
「(外国代理人法を)葬り去るために、社会全体が結束した。皆ロシアで起きたことを知っているからだ」と、トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)ジョージアのエグゼクティブディレクターを務めるエカ・ギガウリは語る。 「ウクライナでは戦争が起きているが、ジョージアでもロシア的統治との戦いが起きている」
ちらつくロシアの影
近年、ジョージアの民主主義は、空洞化が目立つようになった。国家権力の抑制と均衡が乏しくなり、与党「ジョージアの夢」が異例の存在感を示すようになった。
その設立者である大富豪ビジナ・イワニシビリは現在、公職には就いていないが、舞台裏から政府に大きな影響を及ぼしていると広くみられている。
そんななかで外国代理人法が採択されれば、ジョージアの民主主義は大きく後退していただろう。当局は、市民団体や独立系メディアに嫌がらせをしたり、ひょっとすると黙らせたりする強力な権限を手にすることになるからだ。(中略)
この法案が提出されたタイミングについては、いくつかの解釈がある。
選挙監視団体「公正な選挙と民主主義のための国際社会(ISFED)」のドリゼは、与党「ジョージアの夢」が権力基盤を固め、反対意見を抹殺しようとしている可能性を指摘する。ジョージアでは来年の議会選挙で、比例代表制が導入される。そうなれば、いずれかの党が単独過半数を獲得するのは難しくなる。
一方、「ジョージアの夢」は、ロシアの息がかかっており、実のところジョージアのEU加盟を阻止しようとしているのではないかと、TIジョージアのギガウリは推定する(同党は表向きはEU加盟推進を掲げている)。
EUは2022年、ウクライナとモルドバについては加盟候補国の地位を与えたが、ジョージアは法の支配やメディアの独立、司法の独立についてさらなる改革が必要だとして、認定を見送った。
今回の法案についても、EUの外相に当たるジョセップ・ボレル上級代表は7日、「EUの価値観や基準と相いれない」と改めて強調した。米国務省のネッド・プライス報道官も、言論の自由と民主主義にダメージを与える恐れがあるとの見方を示していた。
ジョージアの市民団体のリーダーたちも同じ考えだ。
「この国と、この国の民主主義の質が懸かっている」とギガウリは語る。「この国の今後の行方にも影響を与える。現時点で、正しい方向に向かっていないことは確かだ」【3月13日 Newsweek】
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上記「外国の代理人(スパイ)」法案に対する大規模な抗議デモについては、ウクライナのゼレンスキー大統領が「民主主義の成功」を願うとしてジョージアのデモにエールを送ったこともあって、ジョージア側はウクライナが内政干渉的に関与したと非難、これにウクライナが「ジョージア当局はロシアのプロパガンダをほぼ一字一句繰り返している」と反発するという展開にもなっています。
“ロシアの影がちらつく”現政権ということもあってか、ウクライナを支援する各国がロシアと関係を断っているなかで、ジョージアはロシアとの直行便を再開。この件でもウクライナはジョージアを激しく非難しています。
****ロシア便再開のジョージアを非難 ウクライナ****
ウクライナは17日、ジョージアがロシア行き直行便の再開を許可したことを非難した。
ウクライナ外務省のオレグ・ニコレンコ報道官はソーシャルメディアで、「世界がこの戦争を止めようとロシアの孤立化を図っているにもかかわらず、ジョージアはロシアからの航空便を受け入れ、モスクワ行きの便を運航しようとしている」と批判した。(中略)
ジョージアで2019年に反ロシア集会が開かれたのを受け、ロシアはジョージアとの直行便を停止していたが、ウラジーミル・プーチン大統領は先週、これを解除。また、ジョージア市民を対象に、90日以内の短期滞在の場合はビザを免除する措置も導入した。(後略)【5月17日 AFP】
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ジョージア現政権が再開を望んだのか、ロシア側の要請をことわりきれなかったのか・・・わかりません。
当然、ジョージア国内にはロシアとの接近に反対する声もありますが、これに対しプーチン大統領は「皆に『ありがとう、いいね』と言われると思っていた」「頭がおかしい」とも。
****プーチン氏、ジョージアでの反ロデモに「頭がおかしい」****
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は26日、同国とジョージア間の直行便の再開を受けてジョージアで反ロシアデモが起きたことに驚かされたと述べた。
ジョージアの首都トビリシの空港には先週、2019年以来初めてロシアからの直行便が着陸した。しかし、空港前では数十人が抗議デモを実施。「お呼びでない」「ロシアはテロ国家」と書かれたプラカードを掲げた。
プーチン氏はテレビ中継された財界人との会合で、「正直に言って、この反応には非常に驚かされた」「皆に『ありがとう、いいね』と言われると思っていたが、この件をめぐる騒ぎは理解し難い」「ここから見ると、彼らは頭がおかしいとしか思えない」と語った。
ロシアは2008年、ジョージアに軍事介入し、親ロシア派地域の南オセチアとアブハジアの「独立」を承認した。このためジョージアでは反ロシア感情が今も根強い。 【5月27日 AFP】AFPBB News
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ひょっとしたら、プーチン大統領は本気で「皆に『ありがとう、いいね』と言われる」と思っていたのかも。ウクライナでも歓迎されると思っていたように。だとしたら、その思い込みが一番怖いかも。
【反ロシア感情が高まる国内世論 矢面に立つロシアからの避難民】
政権にロシアの影がちらつくのに対し、ジョージア国内世論は、冒頭の大量ロシア人流入によって反ロシア感情が高まり、ロシアからの避難者はその矢面に立たされています。
****「ロシア人は帰れ」国を捨てた先で待っていた“拒絶” 若者たちの苦悩【現地ルポ】****
『「ロシア人は家に帰れ」。でも私に帰る家はありません』
ロシアの隣国ジョージア(グルジア)の首都・トビリシ。観光客でにぎわう旧市街の一角で、ロシア人のナターシャさん(24)は表情を曇らせた。
ロシアがウクライナに侵攻を始めてから、1年5カ月。祖国を捨てた多くのロシア人が流入したジョージアでは、今、反ロシア感情が最高潮に達している。現地取材から見えたのは、さまよい続ける若者たちの苦悩だった。 (7月29日放送 「サタデーステーション」より)
■街中にあふれる“拒絶”『ロシア人お断り』
(中略)首都トビリシの、旧市街と現代の建築物が共存する美しい街を歩いていると、取材スタッフの目にあるメッセージが飛び込んできた。 『RUZZKI NOT WELCOME』…その意味は、『ロシア人お断り』。
真っ白な建物の外壁に、真っ赤な文字で、そう書き殴られていた。
実はいま、ジョージア国内で最高潮に達しているのが「反ロシア感情」だ。『ロシア製品は買うな!!!』 『ロシアはテロ国家!』…こうしたメッセージは、バス停や地下道、アパートや飲食店の外壁などに、文字通り“所構わず”書かれている。
矛先が向けられているのは、流入し続けるロシア人だ。ウクライナ侵攻後、人口わずか370万人のジョージアに、140万人以上のロシア人がやってきた(去年3月〜12月/一時滞在を含む)。
その中の一人がナターシャさん、24歳だ。(中略)
ユーチューバーとして活動する中でロシア政府を批判してきた。侵攻開始以降、ロシア国内で言論弾圧が強まるなか、「逮捕されるのではないか」という恐怖から、去年9月、家族をロシアに残し、ジョージアへと逃げ込んだ。しかし、そこで待っていたのは、自分たちロシア人を拒絶するジョージアの本音だった。(中略)
『「ロシア人は家に帰れ」。でも私に帰る家はありません。ロシア人がビザ無しで行ける国は、ジョージア以外、ほとんど無いんです』 ナターシャさんはメッセージを指差し、そう嘆いた。(中略)
ロシアの隣国ジョージア(グルジア)の首都・トビリシ。観光客でにぎわう旧市街の一角で、ロシア人のナターシャさん(24)は表情を曇らせた。
ロシアがウクライナに侵攻を始めてから、1年5カ月。祖国を捨てた多くのロシア人が流入したジョージアでは、今、反ロシア感情が最高潮に達している。現地取材から見えたのは、さまよい続ける若者たちの苦悩だった。 (7月29日放送 「サタデーステーション」より)
■街中にあふれる“拒絶”『ロシア人お断り』
(中略)首都トビリシの、旧市街と現代の建築物が共存する美しい街を歩いていると、取材スタッフの目にあるメッセージが飛び込んできた。 『RUZZKI NOT WELCOME』…その意味は、『ロシア人お断り』。
真っ白な建物の外壁に、真っ赤な文字で、そう書き殴られていた。
実はいま、ジョージア国内で最高潮に達しているのが「反ロシア感情」だ。『ロシア製品は買うな!!!』 『ロシアはテロ国家!』…こうしたメッセージは、バス停や地下道、アパートや飲食店の外壁などに、文字通り“所構わず”書かれている。
矛先が向けられているのは、流入し続けるロシア人だ。ウクライナ侵攻後、人口わずか370万人のジョージアに、140万人以上のロシア人がやってきた(去年3月〜12月/一時滞在を含む)。
その中の一人がナターシャさん、24歳だ。(中略)
ユーチューバーとして活動する中でロシア政府を批判してきた。侵攻開始以降、ロシア国内で言論弾圧が強まるなか、「逮捕されるのではないか」という恐怖から、去年9月、家族をロシアに残し、ジョージアへと逃げ込んだ。しかし、そこで待っていたのは、自分たちロシア人を拒絶するジョージアの本音だった。(中略)
『「ロシア人は家に帰れ」。でも私に帰る家はありません。ロシア人がビザ無しで行ける国は、ジョージア以外、ほとんど無いんです』 ナターシャさんはメッセージを指差し、そう嘆いた。(中略)
■国民の69%「悪影響を及ぼす」 背景に15年前の侵攻も
しかしそれでも、ジョージア国民のロシア人に対する警戒心は消えない。ロシア人の流入について街で尋ねると、厳しい意見がジョージア国民から相次いだ。
『善良なロシア人でもジョージアへの移住そのものが、問題を引き起こすことを理解すべきです』(バー経営者)
『プーチンとロシア政府は「多くのロシア人がジョージアにいる」という事実を、自分たちの利益のために使おうとする可能性が高いと思います』(大学生・24歳)
その原因は、15年前に起きた、ロシアによるジョージアへの軍事侵攻だ。国土のおよそ2割が、今なお、ロシアによって占領され続けている。
しかしそれでも、ジョージア国民のロシア人に対する警戒心は消えない。ロシア人の流入について街で尋ねると、厳しい意見がジョージア国民から相次いだ。
『善良なロシア人でもジョージアへの移住そのものが、問題を引き起こすことを理解すべきです』(バー経営者)
『プーチンとロシア政府は「多くのロシア人がジョージアにいる」という事実を、自分たちの利益のために使おうとする可能性が高いと思います』(大学生・24歳)
その原因は、15年前に起きた、ロシアによるジョージアへの軍事侵攻だ。国土のおよそ2割が、今なお、ロシアによって占領され続けている。
この侵攻を指揮したとされる人物。それは、当時、首相だったプーチン大統領。現在のウクライナ侵攻の口実は、ウクライナにいる、“ロシア人”の保護だった。そのため、今年2月に行われたジョージアの世論調査では、ロシア人の流入に対し、69%の国民が「悪影響を及ぼす」と回答している。(中略)
こうした中、ロシア人の流入に拍車をかけるような動きが。今年5月から、ジョージアとロシアを結ぶ直行便が4年ぶりに再開したのだ。これを提案したのはプーチン大統領だったという。
こうした中、ロシア人の流入に拍車をかけるような動きが。今年5月から、ジョージアとロシアを結ぶ直行便が4年ぶりに再開したのだ。これを提案したのはプーチン大統領だったという。
これに対し、ジョージア国民は、『ジョージア政府は恐れていると思います。「プーチン大統領に従わなければ、ロシアはまたジョージアに戦争を仕掛けてくる」と思っているんです。何とか生き残るためにジョージア政府は戦っているようですが、国民はロシア人が移り住んでくることには、とにかく反対です』(大学生・20歳)と憤る。
反ロシア感情が最高潮に達したジョージア。孤独と生活苦に耐えながら、夢を追うロシア人の青年もいた。
■『母はプロパガンダに…』 徴兵拒否し、渡米志すロシア人の青年
取材スタッフを自宅に迎え入れてくれたのは、ロシア人のザックさん、21歳。部屋の中には、ウクライナ国旗が掲げられていた。侵攻が始まった当日、モスクワで反戦の声を上げたザックさん。
大学を辞めて、去年3月、ひとりジョージアへと逃れると、ロシアで徴兵される際に必要な証明書を焼き捨て、祖国を捨てる覚悟を固めた。(中略)
しかし、生活に余裕はない。(中略)ジョージアでは物価が高騰しており、平均家賃は侵攻前の約2.3倍になっている。しかしこれも、ロシア人の急増が原因だ。ザックさんは自炊で節約しながら、アメリカの大学で学ぶことを夢見ているという。
■さまようロシアの若者 探し続ける「安住の地」
ロシアの隣国ジョージアで出会った、2人の若きロシア人たち。母国以外の居場所を求め、さまよい続けている。ウクライナ避難民のための支援活動に取り組むロシア人のナターシャさんは、「自身のこれからをどう考えているのか」という問いに、こう答えた。
『次の行き先のことを考えると、不安です。怯えることなく、自由な表現ができ、自分の人生を歩むことができる、そんな国に住みたいです』(後略)【7月30日 テレ朝news】
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上記記事が紹介するような、「母国以外の居場所を求め、さまよい続けている善良なロシア人」だけでなく、「ほとぼりが冷めるまで大金を使って毎日遊び暮らすロシア人」もまたいるのでしょう。