(【6月28日 NHK】)
【はっきりしない反乱後のプーチン大統領とプリゴジン氏の関係】
プリゴジン氏率いる民間軍事会社「ワグネル」の武装反乱・・・「プリゴジンの乱」は一体何だったのか、どうして唐突に収束したのか、収束時にどのような「取引」がなされたのか、プリゴジン氏及びワグネルは今後どうなるのか、ロシア政治・プーチン体制に及ぼす影響はどの程度のものか・・・・等々、わからないことが多いなかで、昨日・今日も新たな事実が報じられています。
****プリゴジン氏、反乱後にプーチン氏と会談 露報道官「忠誠示した」****
ロシアのペスコフ大統領報道官は10日、プーチン大統領と武装反乱を起こした露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏が反乱収束後の6月29日に、モスクワの露大統領府で3時間にわたり会談したと明らかにした。タス通信が伝えた。
ペスコフ氏によると、会談にはプーチン氏に招待されたプリゴジン氏やワグネルの指揮官、同社経営陣ら計35人が出席。
プリゴジン氏らは6月23〜24日の反乱に関する自身の見解を述べたほか、プーチン氏への忠誠を示し、「今後もロシアのために戦う」と表明したという。ペスコフ氏は会談に関するその他の詳細にはコメントしないとした。【7月10日 産経】
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プーチン大統領がプリゴジン氏を「裏切り者」と非難してからわずか数日後に両者の会談が行われていたも驚きですが、そのことをロシア政府が公式に認めたことはもっと驚きです。
****プーチンが「裏切り者」のプリゴジンと会談していたことで深まった反乱の謎****
(中略)
かつてイギリスの国防担当大使館員としてロシアに駐在していたジョン・フォアマンは、「会談には、中世で言うところの宮廷儀礼としての意味があったのだと思う。反乱を起こしたが敗北したワグネルが君主の前に膝をつき、反乱は君主に対するものではなかったと説明して恩赦を請うたのだろう」と述べた。「プーチンは寛大なところをアピールし、プリゴジンの反乱に決着をつけることもできる」(中略)
米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」デジタルフォレンジック研究所の非常勤研究員で、ロシアの偽情報や民間軍事組織についての研究を行っているルーカス・アンドリウカイティスは(中略)「プーチンは大丈夫だという神話を維持するためにロシア政府が考えたことだろう」と分析した。(後略)【7月11日 Newsweek】
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更に、「プリゴジンの乱」がかなり危険な状態にあったことを示す状況も報じられています。
****ワグネル、反乱時にロシア核兵器貯蔵基地に接近か****
ロシアの民間軍事会社ワグネルが6月24日の反乱で首都モスクワへ向けて北上していた際、複数の車両が東へ外れてロシア軍の核兵器貯蔵基地「ボロネジ45」の方向に向かったことが、インターネットに投稿された動画や現地住民の話で明らかになった。
ワグネル車両の軌跡は同基地から約100キロメートルの地点で途絶えた。ロイターは、その後に何が起きたのかを確認できなかった。西側の当局者らは、ロシア軍が貯蔵する核兵器が反乱の際に危険にさらされることはなかったと繰り返し述べている。
だがウクライナ軍情報機関トップのブダノフ国防省情報総局長はロイターの単独インタビューで、ワグネルの戦闘員はその後も進行し、核兵器貯蔵基地に到達したと話した。ワグネルの意図は、反乱の「勝算を高める」ために旧ソ連時代の小型核兵器を抑えることだったと説明した。
ブダノフ氏によると、戦闘員らは核兵器貯蔵施設のドアの前まで到達したが、ドアが閉鎖されていたため中に入れなかった。同氏はこうした説明の証拠を示さず、この件を巡り米軍その他の同盟国とどのような話し合いがあったかについてもコメントを避けた。戦闘員がその後撤収した理由も説明しなかった。
ロシアの占領下にあるウクライナ東部の消息筋は、この事態をロシア政府は憂慮し、ベラルーシのルカシェンコ大統領を仲介役とする反乱終結を後押しする要因になったと述べた。
米国家安全保障会議(NSC)のホッジ報道官はこの件について「裏付けを得られていない。いずれの時点でも核兵器や核物質が危機に瀕していたと示す情報は全くなかった」と述べた。【7月11日 ロイター】
ワグネル車両の軌跡は同基地から約100キロメートルの地点で途絶えた。ロイターは、その後に何が起きたのかを確認できなかった。西側の当局者らは、ロシア軍が貯蔵する核兵器が反乱の際に危険にさらされることはなかったと繰り返し述べている。
だがウクライナ軍情報機関トップのブダノフ国防省情報総局長はロイターの単独インタビューで、ワグネルの戦闘員はその後も進行し、核兵器貯蔵基地に到達したと話した。ワグネルの意図は、反乱の「勝算を高める」ために旧ソ連時代の小型核兵器を抑えることだったと説明した。
ブダノフ氏によると、戦闘員らは核兵器貯蔵施設のドアの前まで到達したが、ドアが閉鎖されていたため中に入れなかった。同氏はこうした説明の証拠を示さず、この件を巡り米軍その他の同盟国とどのような話し合いがあったかについてもコメントを避けた。戦闘員がその後撤収した理由も説明しなかった。
ロシアの占領下にあるウクライナ東部の消息筋は、この事態をロシア政府は憂慮し、ベラルーシのルカシェンコ大統領を仲介役とする反乱終結を後押しする要因になったと述べた。
米国家安全保障会議(NSC)のホッジ報道官はこの件について「裏付けを得られていない。いずれの時点でも核兵器や核物質が危機に瀕していたと示す情報は全くなかった」と述べた。【7月11日 ロイター】
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ドアが閉鎖されていたため中に入れなかった・・・・ソ連時代の小型核兵器を奪取することを狙っていたなら、ドアが閉まっていたからといって諦めることはないでしょう。爆破してでも押し入るのでは。
真相はわかりません。事実なら、反乱軍が核兵器を手にする可能性があったということになります。
【とりあえず急務となるアフリカ・中東で活動するワグネルの処遇】
まだまだわからないことだらけですが、藪の中のロシア国内の事情はともかく、さしあたりの問題(かつ、外部の人間にも比較的わかりやすい問題)はワグネルがロシア正規軍の代わりに担っていたアフリカや中東での役割が今後どうなるのか?ということ。
反乱を起こした当事者が、そのまま海外で「ロシア」として活動するというのは、常識的にはあり得ないことです。
****ワグネル反乱で影響必至の中東・アフリカ情勢****
ロシアの民間軍事会社ワグネルの反乱は同組織が活動を拡大してきた中東やアフリカにも少なからぬ影響を与えるのは必至だ。すでにシリアではロシア軍によるワグネル戦闘員の拘束も始まっている。米国はこの混乱を同地域で低下した存在感を回復するチャンスとみており、今後ロシアとの緊張が高まりそう。
先兵として十数カ国で活動
ワグネルは中東・アフリカ地域への進出とともに成長した。その過程を探ると、ロシアを再び世界の大国にするというプーチン大統領の野望を実現するため、ロシア軍の影の部隊、先兵として各地に浸透していった実態が浮かび上がってくる。
情報を総合すると、ワグネルが関与した同地域の国は18カ国にも上り、現在も2万5000人前後が駐留しているとみられている。(中略)
元々、中東・アフリカにはロシアの幾つかの民間軍事会社が進出していたが、ワグネルとしては15年、ロシアがシリアのアサド政権を救うため軍事介入してから本格化した。プーチン氏との親密な関係をテコにワグネルをロシア軍の別動隊として拡大させていったのが今回の反乱の首謀者であるプリゴジン氏だ。
内戦や紛争につけ入って独裁者らの警備を担当し、時には反政府勢力の掃討作戦に参加し、数百人規模の虐殺にも加担したと非難されてきた。
同氏は17年には、北アフリカのリビアに部隊を派遣し、東部を支配する「リビア国民軍」のハフタル将軍を支援、国連の手助けで発足した中央政府への攻撃に加わり、スナイパー部隊を動員した。リビアへの進出に当たってはロシア軍が海軍の空母にハフタル将軍を招待するなど厚遇、プーチン政権とワグネルが一体となって作戦を推進していることが浮き彫りになった。
その後はスーダンやモザンビーク、中央アフリカ、西アフリカのブルキナファソ、マリなどに部隊や顧問団を派遣、警備や軍隊の訓練、反政府勢力との戦闘など、活動を広げていった。
戦闘活動に現時点も従事していると見られているのはマリと中央アフリカだ。ワグネルの行動の多くは秘密裏に行われ、場合によって報酬は金やダイヤモンド、ウラン鉱石の採掘権という形で与えられた。
こうしたワグネルとアフリカ諸国との密接な関係はウクライナ侵攻を非難する国連総会決議の採決にも如実に表れている。侵攻当初のロシア非難の国連決議は圧倒的多数で可決されたが、棄権票を投じたアフリカ諸国のうち、半数ほどはワグネルの進出国だった。
各地で明らかになっている蛮行
ワグネルの戦闘員には、今回の反乱前から元囚人が多いとされる。プリゴジン氏自身も強盗や詐欺の罪で服役した過去がある。
国連などの調査によると、ワグネルの作戦の中で、最も問題視されているのがマリでの住民虐殺への関与疑惑だ。ニューヨーク・タイムズなどによると、昨年3月、政府軍がマリ中央部のモウラでイスラム過激派の掃討作戦を展開したが、約400人の住民が虐殺された。
軍はヘリコプターからの無差別乱射や住民らの処刑、略奪などを5日間にわたって続けた。政府軍にはワグネルの戦闘部隊も参加していたことが目撃者の証言から明らかになっている。
マリは元々フランスの植民地だったこともあり、過激派掃討のために仏軍が派遣されていた。しかし、フランスとマリ政府との関係が悪化したため仏軍が撤退、この穴を埋めるようにしてワグネルが進出した。同国ではこれまでにモウラの住民虐殺も含め政府軍の作戦などで約500人が犠牲になっている。
中央アフリカでもワグネルの蛮行が明らかになった。国連の調査団によると、ワグネルは2018年にトゥアデラ大統領の警備のため契約を結び、イスラム勢力との戦闘に加わった。ある時にはワグネルの戦闘員がモスクに侵入し、祈っていたイスラム教徒住民らをその場で射殺したという。(中略)
反乱のきっかけはシリア情勢
そもそもワグネルの反乱はプリゴジン氏とショイグ国防相、ゲラシモフ参謀総長との確執が原因の一つとされているが、その始まりはシリアだった。(中略)
問題は今回の反乱失敗の影響が中東・アフリカ諸国を大きく揺さぶるのかどうかだろう。結論から言えば、ロシアにとってこれら地域でのワグネルの存在はロシアの戦略的国益に多大に寄与しており、故にプーチン政権がワグネルの活動を縮小する可能性は小さいのではないか。
しかし、混乱が生じることは否めない。ロシア軍がワグネルを吸収するという話も出ているが、米専門誌によると、シリアではワグネル戦闘員の一部が駐留ロシア軍に拘束され始めている。しかもロシア副外相が6月26日にアサド・シリア大統領と会談、軍の同意なしにワグネル戦闘員を国外に出国させないよう要請したとされ、ワグネル側には動揺が広がっているようだ。
米露の直接衝突の懸念高まる
米軍関係者らによると、ワグネルがロシア軍に統合されると、シリアでは〝緩衝勢力〟がいなくなり、ロシア軍と米軍が直接衝突するリスクが高まるのではないかという。ロシア軍機による米軍支配空域の侵犯が1日3、4回にも上っており、米側は懸念を深めている。
しかし、バイデン米政権はワグネル反乱の混乱について、中東・アフリカ地域で米国が存在感を復活させるための「巻き返しの好機」と見なしており、米露の対決が今後、エスカレートする恐れがありそうだ。【7月4日 WEDGE】
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シリアでは〝緩衝勢力〟がいなくなり、ロシア軍と米軍が直接衝突するリスクが高まる・・・というシリア情勢については、すでにロシア軍の“危険な”行動をアメリカは非難しています。
****ロシア軍機がシリア上空で米軍無人機を連日妨害 過激派組織「イスラム国」掃討作戦中****
ロシア軍の戦闘機が中東シリアの上空でアメリカの無人偵察機に対し、照明弾を投下したとアメリカ空軍が明らかにしました。
新たに公開された映像には、左下に映るアメリカの無人偵察機の近くでロシア軍の戦闘機が複数の照明弾を投下する様子が捉えられています。
アメリカ空軍によりますと、現地6日、過激派組織「イスラム国」の掃討作戦でシリア上空を飛行していたアメリカ軍の無人偵察機に対し、ロシア軍機SU−34など2機が異常接近して照明弾を投下し、進路を妨害したということです。
シリア上空では5日にも、ロシア軍機が「フレア」と呼ばれるおとりの火炎弾を投下し、アメリカの無人機を妨害する事例があったばかりで、アメリカ空軍は「プロ意識を欠いた危険な行動だ」と非難しています。【7月7日 テレ朝news】
新たに公開された映像には、左下に映るアメリカの無人偵察機の近くでロシア軍の戦闘機が複数の照明弾を投下する様子が捉えられています。
アメリカ空軍によりますと、現地6日、過激派組織「イスラム国」の掃討作戦でシリア上空を飛行していたアメリカ軍の無人偵察機に対し、ロシア軍機SU−34など2機が異常接近して照明弾を投下し、進路を妨害したということです。
シリア上空では5日にも、ロシア軍機が「フレア」と呼ばれるおとりの火炎弾を投下し、アメリカの無人機を妨害する事例があったばかりで、アメリカ空軍は「プロ意識を欠いた危険な行動だ」と非難しています。【7月7日 テレ朝news】
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そのシリアでは・・・
*****ワグネル統制強化、中東・アフリカで懸念高まる****
先月のロシアでの反乱の際、シリアに駐留していたワグネル戦闘員は、港湾都市ラタキアでロシア国防省が運営する空軍基地に入ろうとしたが、入れなかったという。
現地住民の話を聞いたという元シリア政府高官のバッサム・バラバンディ氏が明らかにした。同氏およびシリアを注視している欧州の政府関係者によれば、シリアで主に単独行動していたワグネル幹部らは、その基地から出られないようになったという。
バラバンディ氏によれば、ロシア国防省はシリアの都市パルミラにある油田・ガス田からワグネル戦闘員を排除し、協力関係にあるISISハンターズを代わりに配置したという。【7月10日 WSJ】
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【アフリカで歓迎されているワグネル 人道上の問題も】
アフリカにおけるのワグネルの活動が目立つのが西アフリカのブルキナファソ、マリ。そして中央アフリカです。
これらの国ではワグネルは救世主的に歓迎されています。
***アフリカのマリ、熱狂的な「親ロシア」の実態 暫定政権、危うさも****
ウクライナ侵攻で欧米から厳しい制裁を科せられたロシアは、「グローバルサウス」(新興・途上国)との関係強化を重視している。そのロシアと、アフリカで最も親密な国が西部マリだ。
ロシアはマリへ民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員や兵器を送り、マリ側はロシア支持を鮮明にする。露国内で6月下旬に起きたワグネルの反乱後も両国の蜜月は揺らいでいない模様だ。現地で「親ロシア」の実態を探った。
6月16日、首都バマコのスタジアムで開かれた暫定政府の憲法改正案を支持する市民集会。「協力 マリ、ロシア」と書かれたプラカードと露国旗カラーの横断幕を掲げる若者らが「ウィ!(イエス)」と気勢を上げながら入場してきた。
会場では、プーチン露大統領とマリのゴイタ暫定大統領を「英雄」として並べたポスターも販売。両国旗を掲げたティジャニ・カンさん(55)は「ロシアがなければ今のマリは存在しない。ロシアはマリに自由をもたらす」と話した。
集会はロシアとは直接関係ないのに、なぜ人々は熱狂的に親露姿勢を示すのだろうか。実は、マリでは近年、北部を中心にイスラム過激派の動きが活発だ。2012年には北部の主要都市を占拠し、当時の政府は旧宗主国フランスに助けを求めた。
介入した仏軍は1カ月ほどで各都市を奪還していったが、過激派は広大な国土の地方で抵抗を続けた。10年近く過ぎても治安は改善せず、政府と仏軍に対する不満が高まった。
これを巧みにくみ取ったのが軍出身のゴイタ氏だ。クーデターで21年6月に政権を奪うと、対露関係強化による治安改善の方針を打ち出す。ロシアからヘリコプターや武器を大量購入し、ワグネル戦闘員は「指導員」として受け入れている。ロシアの軍事支援は対テロ作戦で一定の成果を出し、ゴイタ氏は「ロシアと共に戦う強いリーダー」の印象を国民に植え付けた。仏軍との連携は打ち切った。
暫定政権の親露路線は国民の圧倒的な支持を得ている。ドイツのフリードリヒ・エーベルト財団による今年2月の世論調査(対象2295人)では、70%が「3カ月前より治安が改善した」と評価し、98%はゴイタ氏に「非常に満足」か「満足」と回答。91%が「ロシアが治安対策を助けてくれると確信」していた。
フランスは海外支援で人権などの価値観も重視するが、強権国家のロシアは一切こだわらない。親露路線で支持を伸ばすマリの政治団体「イエレウォロ」の広報担当シリキ・クヤテ氏は「フランスは何事も押し付けてくる。対露関係では我々に選択の余地がある」と語る。ただ、「ロシア頼み」には危うさもある。テロ対策の最前線からは深刻な人権侵害の疑いが報告されている。【7月4日 毎日】
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【中央アフリカではワグネル撤収の動きも 何らかの「再編」か】
フランス軍に代わってロシア・ワグネルが・・・という構図は中央アフリカでも同じです。
ロシアは軍事支援の見返りとして、「金、ウラン、ダイヤモンドへのアクセスを得た」とも言われています。金やダイヤモンドなどの鉱山にはワグネルのグループ会社が参入し、その利益はワグネル幹部やロシア政府にも流れていたとも。
その中央アフリカでは、ワグネル戦闘員が撤収しているとの情報が。
****「ワグネル」中央アフリカから撤退か 戦闘員が大勢出国の情報 組織内で再編の可能性***
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員らが中央アフリカから撤退しているとの臆測が出ています。組織内で、なんらかの再編が行われている可能性があります。
ロイター通信などによりますと、中央アフリカで、大勢のワグネル戦闘員が飛行機に乗って飛び立ったとの報道が相次いでいるということです。匿名の軍関係者が、数百人規模のワグネル戦闘員が最近、出国したことを認めたということです。
中央アフリカ大統領府の報道官は8日、「撤退ではなく、人員の交代だ」と報道を否定しています。
中央アフリカでは反政府軍の鎮圧を支援するため、ワグネル戦闘員が2018年ごろから活動しており、直近では1900人ほどの傭兵(ようへい)が駐留していたとみられます。
ワグネルは中央アフリカ政府を支援する一方で、現地で金の採掘権などを得ているとされ、アメリカは先月、違法な資金調達に関与した疑いで現地の企業数社に制裁を科しました。【7月9日 テレ朝news】
ロイター通信などによりますと、中央アフリカで、大勢のワグネル戦闘員が飛行機に乗って飛び立ったとの報道が相次いでいるということです。匿名の軍関係者が、数百人規模のワグネル戦闘員が最近、出国したことを認めたということです。
中央アフリカ大統領府の報道官は8日、「撤退ではなく、人員の交代だ」と報道を否定しています。
中央アフリカでは反政府軍の鎮圧を支援するため、ワグネル戦闘員が2018年ごろから活動しており、直近では1900人ほどの傭兵(ようへい)が駐留していたとみられます。
ワグネルは中央アフリカ政府を支援する一方で、現地で金の採掘権などを得ているとされ、アメリカは先月、違法な資金調達に関与した疑いで現地の企業数社に制裁を科しました。【7月9日 テレ朝news】
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ワグネル戦闘員撤収の動きについては、“フランスの治安筋はこの動きについて、「今後数か月の給与支払いに対する強い不透明感と、ワグネルに同行している家族が報復を受ける可能性への懸念」が原因との見解を示した。ワグネルの隊員は、民間人に戻るか、ロシア軍に入隊するか、ロシアの他の民間企業に転職するかの選択を迫られているという。”【7月8日 AFP】とも。
従来どおりプリゴジン氏のもとでのワグネルが・・・・という訳にもいかないでしょうが、ロシアとしてもアフリカにおけるワグネルのはたしてきた役割を放棄することもできないので、何らかの「再編」を行うのでしょう。プリゴジン氏の影響力がどうなるのかはわかりませんが。
プーチン大統領と「裏切者」プリゴジン氏との関係がはっきりしないのも、こうした今後の海外におけるワグネルをどうするのか?という問題があるせいでしょう。