長野市内は昨日も晴天で、次第に年末年始に降った雪も溶けてきています。市内近郊にある飯綱スキー場は、家族連れで賑わっているようです。県内各地のスキー場も利用者が伸びるといいのですが。雪が残る鉄道敷きが写っているジャケットのレイ・ブライアントの作品です。
RAY BRYANT (レイ・ブライアント)
SLOW FREIGHT (CADET 1966年録音)
レイ・ブライアント(ピアノ)の作品中、カデット・レーベルのものはあまり評判がよくありません。ジャズ・ロック的なものも含まれ、娯楽色が強いせいでしょうか。本盤はピアノ・トリオによる印象的な演奏が収録されているので、ずっと手元においてあります。
メンバーは、ブライアント(ピアノ)、リチャード・デイビス(ベース)、フレディ・ウェイツ(ドラム)と、アンサンブルだけに起用されたA・ファーマー(tp)、S・ヤング(tp)です。ブライアント作「Slow Freight」、ドナルド・バード作「Amen」などトランペットが入った曲もゴスペル調でそれなりに楽しめます。
ピアノ・トリオによる「Satin Doll」は、よくスイングするリズムを聴いているだけで、気持ちがよいです。短いながら、ピアノ、べースのソロが入ります。「When The World was Young」は、ワルツで奏されます。原曲がシャンソンということもあるのでしょうが優雅です。この曲における、ブライアントの切れのいいタッチ、そしてアルコ(弓)ソロをするデイビスの深々とした音色は、さすがです。
レイ・ブライアントは、ブルース、ゴスペルに根ざしたピアニストだといわれます。そのとおりですが、メロディの美しい原曲を重くなることなくプレイしたものが結構好きです。代表は、プレスティッジの「Golden Earring」ですが、本盤の「When The World was Young」もその一例です。
リチャード・デイビスは、シカゴ交響楽団の一員でもあったべーシストで、抜群の安定感を示します。ピアノ・トリオの曲がもう一曲入っていますが、ドラムもよかっただけに、どうせなら全部トリオでやってほしかったものです。売れ行きはあまり芳しくないかもしれませんが。