「ショパン知られざる歌曲」(小坂裕子著 集英社)という本を読みました。ショパンに歌曲があるのを初めて知りました。その生涯や主要な曲と絡めて記述してあり、魅力的な作品の数々を思い浮かべ、ヴラド・ペルルミュテール(フランスのピアニスト)のLPを聴いてみました。ショパンはピアノの詩人と形容されます。ジャズの方も、トランペットの詩人としばしば言われるト二ー・フラッセラのアルバムを聴いてみました。
TONY FRUSCELLA (トニー・フラッセラ)
TONY FRUSCELLA (ATLANTIC 1955年録音)
ト二ー・フラッセラは、麻薬のために42年という短い生涯でしたが、ハード・バップ期のニューヨークにあって、ソフトな演奏をした稀有なトランペット奏者です。録音が少なく、正式にレコーディングされたのはこの一作だけなので、本作品は貴重なものになっています。
メンバーは、フラッセラのほかアレン・イーガー(テナー・サックス)、ビル・トリグリア(ピアノ)らで、曲により編成を変えていますが、最大ホーン4人とリズムの7人編成です。なお。フィル・サンケルが全曲のアレンジを担当すると同時に、スタンダードの「I'll be Seeing You」と「Blue Serenade」を除く7曲を提供しています。
美しい中音域の音を使って、抒情を醸すプレイをフラッセラが行っています。「I'll be Seeing You」では、ワンホーンでリリカルなプレイをしていますが、アドリブの連続でちょっと聞いていると何の曲かわからないかもしれません。「Metropolitan Blues」は、テーマが魅力的で、フラッセラに加えてイーガーがゆったりとしたソロをとり、このアルバム中最大の聴きものです。「His Master's Voice」でもフラッセラの美しい音色が冴えわたります。
ホームページに、ドナ・フラー(ヴォーカル)と、レイ・ブライアント(ピアノ)を掲載しました。よろしければご覧ください。
http://www6.ocn.ne.jp/~jazzvo/