書道(僕の場合は習字)の関係で遅い新年会に行ってきました。先生をはじめ書き初めの作品を持ってきた人が多く、新年会らしい会になりました。僕は宴会要員で、肩身が若干狭かったのではありますが(笑)。女性陣が小説や映画を話題にして、宮部みゆき、東山圭吾、村上春樹などの名前が挙げられていましたが、村上春樹は人気が薄いようです。僕は、最近の推理小説で、中山七里著「さよならドビュッシー」を読んだと話しました。その小説にはピアニストが登場します。
BENGT HALLBERG (ベンクト・ハルベルク)
AT GYLLENE CIRKELN (metronome 1962年録音)
スウェーデンのピアニスト、ベンクト・ハルベルク(p)は、スタン・ゲッツ(ts)のルースト盤における「Dear Old Stockholm」などで、ゲッツに寄り添いながら、抒情的なソロを繰り広げていたので、すぐに名前を覚えました。ゲッツとの共演歴が注目されたためか、比較的早くからこのLPは国内発売されていました。
ストックホルムのジャズクラブ「ゴールデン・サークル」におけるライブ録音です。ベンクト・ハルベルク(p)、ラルス・ぺテルソン(b)、ステュア・カリン(ds)というメンバー。北欧のミュージシャンなので、クールさを期待して購入したことを覚えています。
曲目は、ハルベルクのオリジナルが「Gyllene Cirkeln」(ゴールデン・サークル)、「Morning Party」、「Rubato Blues」の3曲、モンクの「Round About Midnight」、アン・ロンネルの「Willow Weep For Me」(柳よないておくれ)、古いスタンダード「Dinah」(ダイナ)、そして、多分スウェーデンの作曲家Richard Heubergerという人の書いた「IM Chambre Separee」(離れた部屋)の7曲。
ハルベルクの多彩な面を見せてくれる作品で、「Dinah」では、はじめの方に前衛的な手法をとりいれていますが、トリオがよくスイングした演奏です。「Morning Party」も、ちょっとオスカー・ピーターソンを髣髴とさせるスインギーなもの。「Rubato Blues」とブルースと題していても、全体にブルージーさはあまり感じられませんが、反面、「Willow Weep For Me」など詩情を湛えたプレイは一聴の価値があります。
【中山七里著 さよならドビュッシー】
宝島社文庫。「このミス」大賞・大賞受賞作だそうです。