6月も中旬になり、長野県内も気温が上がってきました。僕のこれからの季節の楽しみの一つは、涼を求め、気分転換も兼ねて、高原や滝を訪れることです。信州はなだらかな山や深い谷が多いので、有名な観光地でなくとも、案外と近くにそういったスポットがあります。先日、不動滝(長野市信州新町)に行ってみました。滝の鮮烈な流れを上から覗いて見たら虹が見えました。「Over The Rainbow」(虹の彼方に)の収録された作品を聴いてみました。
LEE MORGAN (リー・モーガン)
DIZZY ATMOSPHERE (Specialty 1957年録音)
「Over The Rainbow」(虹の彼方に)は、1938年に作詞E・Y・ハーバーグ、作曲ハロルド・アーレンが作った曲で、ミュージカル映画「オズの魔法使い」でジュディ・ガーランドが歌いました。アカデミー主題歌賞をとり、また、現在ではスタンダードとして親しまれています。ヴォーカルばかりでなく器楽ヴァージョンもM.J.Qはじめ多数に上っています。
さて、「Dizzy Atmosphere」ですが、爽快なハードバップを聴きたいという時に、真っ先に思い浮かべる作品です。メンバーは、リー・モーガン(tp)、ビリー・ミッチェル(ts)、アル・グレイ(tb)、ビリー・ルート(bs)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・ウェスト(b)、チャーリー・パーシップ(ds)で、録音当時、全員がディジー・ガレスピー楽団に属していました。いわゆるボス抜きセッションの一つでもあります。
編曲も行っている、ロジャー・スポット作の曲が「Dishwater」、「Someone I Know」、「D.D.T」、「About Time」、「Rite of Swing」、ベニー・ゴルソン作「Whisper Not」、そしてスタンダードナンバーの「Day By Day」、「Over The Rainbow」の全8曲。セプテットだけに、スポットとゴルソンの編曲が施されていて、アルバムに統一感を与えています。
音楽をする喜びが伝わってくるような作品です。最初の「Dishwater」から、チャーリー・パーシップ(ds)の快活なリズムに乗り、ケリー(p)、モーガン(tp)、ルート(bs)、グレイ(tb)と熱気に満ちたソロが続きます。モーガン(tp)がミュートも使っている「Whiper Not」、グレイ(tb)をフューチャーしたバラード「Day By Day」にうっとりし、最終曲「Over The Rainbow」では、ミッチェル(ts)が細やかで慈しむようなプレイをしています。ハードバップ好きの僕には欠かせない一枚。
【不動滝(長野市信州新町)】
国道19号線から少し入ったところに祖室渓谷があり、そこに不動滝があります。訪れる人があまりいないようですが、滝のすぐそばまで行けるので、僕には嬉しいスポットです。
覗きこんでみると、虹がかかっていました。この写真でわかるといいですが。
下流の不動滝の全景です。上流の不動滝もあるのですが、通行止めでそちらにはいけませんでした。