最近、読書量はかなり減りましたが、それでも、たまに文庫本を買って小説などを読んでいます。この頃、読んで面白かったものに、三上延著「ビブリア古書堂の事件手帖」があります。謎解きはもちろん、文中に出てくる古書と、その古書をとりまく人々の人間模様に興味が続きました。古書を買うことは、滅多にありませんが、レコード収集はぼつぼつと続けています。できれば、オリジナルもほしいアルバム。
JULIE LONDON (ジュリー・ロンドン)
JULIE IS HER NAME VOL.1 VOL.2 (Liberty 1955年(Vol.1)、1958年(Vol.2)録音)
「ビブリア古書堂の事件手帖」を読んでいたら、古い録音のスタンダード・ヴァーカルが聴きたくなり、それも静かで落ち着いたものがいいと、ジュリー・ロンドン(vo)のおなじみの名盤を聴いてみました。掲げたジャケット写真は、僕がもっている日本盤LP2枚のものですが、聴いているのは東芝EMIから出されていた2in1の紙ジャケットCDです。
第1集(Vol.1)は、1955年録音で、伴奏は、バーニー・ケッセル(g)、レイ・レザーウッド(b)。その続編の第2集(Vol.2)は、1958年録音で、伴奏は、ハワード・ロバーツ(g)、レッド・ミッチェル(b)。それぞれ素晴らしい伴奏をつけていて甲乙つけ難いのですが、ギターとベースだけというのは、彼女のハスキーヴォイスに非常に似合っています。
第1集が13曲、第2集が12曲で、CDでは全部で25曲も入っています。一部の曲名だけ記してみると、第1集には、ミリオンセラーを記録した「Cry Me A River」、いつ、また誰で聴いてもいい曲だと唸らされる「It Never Entered My Mind」、ヘレン・メリルの歌でおなじみの「'S Wonderful」、第2集には、軽く歌いあげた「Blue Moon」、恋の定番曲「What Is This Thing Called Love」(恋とはなんでしょう)、そしてさらっとして爽やかな曲想の「If I'm Lucky」などが入っています。
ジュリーというと、ムーディーでバラード系が得意というイメージがあります。その通りですが、スイングしたものも捨てておけません。決定的な「Cry Me A River」が収録されている第1集が圧倒的に親しまれていると思いますし、バーニー・ケッセル(g)も見事です。でも、ハワード・ロバーツ(g)の前奏から引き込まれる「Blue Moon」、軽くスイングし、ギターのからみもスリリングな「What is This Thing Called Love」(恋とはなんでしょう)、それに続くしっとりとしてムード溢れる「How Long Has This Been Going On」と、第2集も第1集に勝るとも劣らない素晴らしいアルバムです。
【ビブリア古書堂の事件手帖】
三上延著、メディアワークス文庫