安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

スライド・ハンプトン ROOTS

2014-03-16 09:45:55 | トランペット・トロンボーン

愛知県犬山市の続きですが、前々から行きたいと思っていた、国宝犬山城に登ってきました。犬山城は、現存する天守の中で最も古いといわれ、織田信長の叔父である織田信康が天文6年(1537)に木之下城を移して築城したと伝えられています。天守の高さは19メートルですが、回りは平野で眺望が素晴らしく、木曽川の流れもよく見えます。2代将軍徳川秀忠から成瀬正成が拝領してから、成瀬家が幕末まで代々城主を務めました。「ROOTS」というアルバム名です。

SLIDE HAMPTON (スライド・ハンプトン)
ROOTS (Criss Cross Jazz 1985年録音)

   Rootsslidehampton

1950年代から活動を続けていたスライド・ハンプトン(tb)は、68年にウディ・ハーマン楽団でヨーロッパに渡りそのまま滞在し、活発な活動を行い、録音も残しています。そのせいか、僕はヨーロッパにずっと滞在したかのようなイメージを持っていました。しかし、77年にはアメリカに帰国し、オランダのCriss Crossレーベルへ、このような秀作を録音しています。

ハード・バップ好きにはたまらないメンバーです。スライド・ハンプトン(ts)、クリフォード・ジョーダン(ts)、シダー・ウォルトン(p)、デヴィッド・ウィリアムス(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)。クリフォード・ジョーダン(1931~1993)も、S・ハンプトンと同様に50年代から活動を行っていますが、70~80年代の作品にもいいものがあり、僕の中では最近とみに評価が上がっています。ピアノにシダー・ウォルトンが座っているのも魅力的です。

オリジナルLPは、4曲収録で、すべてジャズ・オリジナル。クリフォード・ジョーダン作「Precipice」、マイルス・デイビス作「Solar」、スライド・ハンプトン作「Roots」、シダー・ウォルトン作「Maple Street」です。そこに、CDでは、スタンダードの「My Old Flame」、「Just In Time」に、「Precipice」(take 1)、C・パーカー作「Barbados」の4曲が追加され全8曲です。

2管による活発なハードバップが楽しめます。「Precipice」は、曲名(「断崖」、「窮地」)とは裏腹におしゃべりしているような愉快なテーマで、ジョーダン(ts)のソロがブルージーです。「Solar」では、ウォルトン(p)の長いラインのソロ、ハンプトン(tb)が細かなフレーズを交えて本領発揮し、ジョーダンも広い音域を用いて起伏のあるフレーズを奏でていて、これがベストトラックでしょうか。ハンプトン(tb)がゆったりと吹く「My Old Flame」やリズミカルな「Just In Time」とCD追加のスタンダードもよかった。

【国宝 犬山城】

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天守閣からの木曽川下流方面の光景。真ん中の山は、「伊木山」で173.1メートルあり、「夕暮れ富士」とも呼ばれているようです。

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天守閣から、城下町方面の眺望です。