先週の土曜日、愛知県犬山市のジャズ喫茶「Cots Field」で開催された、ジャズオーディオ・ディスク大賞を聴く会に行ってきました。同賞は、ジャズ批評誌上で行われている、選考委員によりオーディオ(録音)と音楽的にも優秀なアルバムを選出し、順位を付すイベントです。インスト、ヴォーカルそれぞれ、2013年の上位5位までの作品のそれぞれ1曲を解説とともにかけてくれました。それら以外にも、選考委員が紹介してくれたCDがあり、その中で山本真理子のものがよかったので、それを購入しました。
MARIKO YAMAMOTO (山本真理子)
HERE'S TO YOU (doLuck Jazz 2013年録音)
オーディオに強い関心はないのですが、2013年に発売された新規録音のアルバムが聴けるということなので、片道約90分の道のりも苦になりませんでした。Cots Fieldのオーディオ装置のせいもあるかもしれませんが、入賞したものはクリアーで音がいいです。ただ、中には、ピアノの高音域などがきつ過ぎるものがあって、ピアノのメーカーの違いを考慮にいれても、ピアノ本来の音と違うと感じるものもありました。僕の年齢によるのかもしれませんが。
この山本真理子さんのファース・アルバムはなかなかよいです。彼女は、北海道出身で、東京を中心に活躍されているようですが、札幌市のジャズクラブ「デイ・バイ・デイ」オーナーで歌手の黒岩静枝さんに似た歌い回しがあったり、ブルージーさも持っていて、僕の好みにもあっています。
伴奏は、谷口純子(p)、佐藤忍(b)、田村陽介(ds)のトリオが基本で、曲によって、駒野逸美(tb)、平山順子(as)が加わります。曲は、スタンダード中心です。「Here's To Life」、「Black Coffee」、「It Had To Be You」、「Cry Me A River」、「I Can't Give You Anything But Love」(捧ぐるは愛のみ)、「The End Of The World」(この世の果てまで)、「Pennies From Heaven」(黄金の雨)、「Bang Bang」(バン・バン)、「Jeepers Creepers」、「Just in Time」、「生きてりゃいいさ」(河島英五作)、「The Good Life」の全12曲。
山本さんは、やや低めの落ち着いた声で、しっかりと歌っています。試聴会では、ジュリー・ロンドンのヒット曲「Cry Me A River」がかけられましたが、声そのものを聴くにもよい選択でした。遅めのテンポのものでは他に、「The End Of The World」や「Bang Bang」がよく、特に「Bang Bang」は力強い歌唱で、アン・バートンとは異なる個性が印象的。早いものでは、伴奏とも相まって「I Can't Give You Anything But Love」や「Jeepers Creepers」が軽快にスイングしていて楽しい。
【Coffee & Gallary Cots Field】
所在地:愛知県犬山市上坂町5-174
電話:0568-62-8139